「土木の日」の18日、土木学会(廣瀬典昭会長)は東京都新宿区の土木学会で15年度の「土木の日シンポジウム」を開いた。「土木と市民参加」をテーマに講演、討論会などが行われ、廣瀬会長や東京工業大学の桑子敏雄教授、早稲田大学の依田照彦教授が意見を交わした。
土木学会は毎年、「土木の日」がある11月中旬に、土木が社会に果たす役割を広く発信するため各種のイベントなどを行っており、シンポジウムもその一環。
冒頭、土木の日実行委員会の委員長を務める池田豊人国土交通省官房技術審議官があいさつし、「東日本大震災を契機に安全・安心に対する国民の関心は高まっている。インフラの役割にも大きな期待が集まっている。シンポジウムを通して会員一人一人が市民の声に応えられるよう心を新たにしてほしい」と呼び掛けた。
討論会では、話題提供として、依田教授が、土木学会が今年創設した「土木広報センター」を紹介。市民が主体となった公共事業を顕彰する土木学会主催の「市民普請大賞」の取り組みについて桑子教授が説明し、「土木は人々の生活する空間をつくるが、暮らしの行動様式を変えることにもなる。市民との合意形成は不可欠だ。市民が主体的に参加する公共事業を普及させる上で、市民普請大賞が果たす役割が重要になる」と語った。
廣瀬会長は「市民が主体的に行う事業に技術者が入り、一緒になってより良いものをつくるという考え方が今後のインフラ整備・更新には欠かせない」と述べた。
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