2015年11月13日金曜日

【ランナーに朗報】日本道路が弾性型遮熱性舗装を実用化

試走の様子。クッション性に優れ、暑さも感じにくい路面になる
◇照準は東京五輪!!◇

 日本道路は、ランナーや車両の走りやすさと安全性を左右する弾性を最適化した遮熱舗装「弾性型遮熱舗装」の実用化にめどを付けた。透水性能が求められる車道の技術基準を満たし、必要な滑り摩擦性能を確保した上で、ポーラスアスファルトに比べて8~10度の温度低減効果を持たせた。弾性力を示すGB係数が1割ほど低く、クッション性が高い。データ類の整理を待って、2020年東京五輪をはじめマラソンコースとなる車道の道路管理者に提案する。

 ランナーの脚への負担を軽減できるよう弾性力を最適化し、遮熱効果もある排水性舗装をコンセプトに開発してきた。材料や配合を工夫し、透水量が毎秒100ミリリットル以上、滑り摩擦(時速60キロ)0・50という開発目標をクリア。ポーラスアスファルトに比べ8~10度の温度低減効果があり、ポーラスで64%のGB係数を50%に下げて力の吸収性能も高めた。東京都が設定している路面の明度にも適応。現在、提案活動に生かすための耐久性試験を行っている。

 8月に茨城県土浦市内で2メートル×40メートルの規模で試験施工を実施済み。9月にはランナーによる走行試験を行い、タイムに影響する加速度や走行感についてのデータを収集した。着地や蹴り出し時の加速度などを把握しており、路面への力の伝わりやすさに関する研究も進めるという。

 マラソンコースは、硬さがタイムに影響し、コースとなる車道は、ランナーと車両双方の走りやすさ、安全性に配慮する必要がある。開催時期によっては観客への配慮も求められる。真夏に開かれる東京五輪のマラソンコースについては、路面温度などを含め、必要とされるさまざまな性能が検討されており、日本道路は弾性型遮熱舗装が「選手と沿道の観客に走りやすさと涼しさを提供できる」(浜田幸二技術研究所長)とみている。

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