2015年11月13日金曜日

【回転窓】ポスト五輪に知財活用

国土交通省の統計などを見ると、建設需要は全般的には堅調だ。繰越予算などがあった前年に対する反動で公共工事は減っても、民間工事が補い、全体をけん引する▼震災復興や2020年東京五輪の開催に向け、多少の浮き沈みはあるにせよ、建設需要はしばらく衰えそうにない。問題はポスト五輪。市場の不透明感をぬぐえないのが大方の見方ではないか▼五輪後も公共投資の安定的確保が求められる。そうなれば連動して民間工事も出てこよう。ただ、国内市場がどこかで冷え込むことを見越した備えは要る。
国内市場の縮小を補う有望株の一つとなるのが海外市場だ。特に、日本が経験したインフラ老朽化への対応で培った技術やノウハウは、同様の事態が予想される海外でも生かせる▼国交省は中小・中堅企業の海外進出の支援に力を注ぐ。有力手段の一つが特許などの知的財産。ものづくり大国ニッポンが誇る知財力を前面に押し出す展開は、新たな方向性にもなり得る▼中小が不慣れな知財活用が脱請負のビジネスモデルになれば、国内を含め大手に伍す事業展開の武器になる可能性も期待できそうだ。

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