3月1日に撮影した弘前城の様子。除雪後に石垣解体を再開する (提供:弘前市) |
大林組JVが施工する「史跡弘前城跡本丸石垣解体工事」は石積み解体工や石積み修復準備工、仮設工などで構成する。弘前城の石垣のうち天守の荷重などで外側に膨らんだ部分を解体し、10年がかりで元の状態に戻す。解体対象は天守真下から本丸東面までの約100メートルと、南面約10メートルで、対象面積は1187平方メートル。実際に取り外す範囲は市が設けた修理委員会と協議しながら決定する。
工事は昨年9月に準備工に着手。中断前までに2518個の石に、元の位置に戻すために必要な番号を付けた。墨入れ作業はすでに90%完了しており、1日に開始した現場の除雪が終わり次第、墨入れ作業を再開する。解体工事はおよそ3年間をかけて実施。工期は2019年3月20日まで。
弘前城は国の重要文化財に指定され、桜の名所として全国に知られる。約1世紀ぶりに実施している石垣の大規模修理事業では外側に膨らんだ石垣を修復するため、直上にあった総重量約400トンの天守を80メートル離れた仮天守台にいったん移設。石垣への荷重を減らした上で、石の積み直しなどを実施する。石垣を修復して天守を元の位置に戻すまでに5年、全体完成には10年を要する見込み。市はプロジェクトと連動した観光イベントなどを開催。明治以来約100年ぶりの事業を地域振興に役立てている。
曳家前(2015年8月16日)と曳家後(同9月26日)の弘前城 (提供:弘前市) |
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