「高齢の義父に運転免許証を返納してほしいと何度も言っているが、聞いてもらえない」。知人が漏らしていた。高齢運転者が起こす交通事故が社会問題になっている。家族も心配だろう▼警察庁の統計によると、15年の免許保有者10万人当たりの交通事故件数は、実は若年層の方が多い。「16~19歳」がずばぬけ、「20~24歳」「25~29歳」と続き、その次が「85歳以上」。死亡事故だと「75歳以上」「16~24歳」の順に多い▼事故原因はさまざまで、年齢だけで決め付けられるものではないだろう。だが、運転が未熟な若年層と、身体能力などが衰える高齢者に不安が多いことは想像に難くない。そこで期待が集まるのが自動運転だ▼今月20日から沖縄県でバスの自動運転実証実験が行われる。ディープラーニング(深層学習)により画像認識技術などが加速度的に進化しており、自動車の無人化は現実味を帯びつつある▼ただ、機械に完全に任せることには一抹の不安も。人間に不足する部分を上手に補うのがあるべき姿のように思う。未来になっても人間が機械を制御し続ける。そんなあり方を考えておく必要があろう。
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