2018年8月31日金曜日

【回転窓】チームワークの力

毎年8月、埼玉県で土木学会関東支部による「コンクリートカヌー大会」が開かれている▼今回は東北から九州まで39チームが結集。全国土木系学生が手作りのコンクリートカヌーに乗り込み、タイムや機能美を競った。決勝戦はゴール間際まで3チームが競り合う白熱の展開に。新潟工業高校が1秒差でゴールを駆け抜け、総合部門で初優勝を飾った▼新潟工高土木部で部長を務める鈴木貴稀さんは、レース後に「チームワークが総合優勝につながった」と笑顔で語った。鈴木部長は代表から漏れてしまい、裏方として出場選手を支えたそうだ。佐藤勇輝顧問は「裏方の子が船を持ち運ぶなど頑張ってくれ、大きな力になった」と話す▼同校はかつて、作ったカヌーが沈没するような弱小チームだった。強豪校からアドバイスをもらいながら改良を重ねてきた。参加校同士が互いに高め合う状況も生まれている▼同支部の利穂吉彦支部長は「技術や人、チームワークという要素はわれわれのものづくりと共通する」と指摘する。頼もしい若者たちが建設の世界に飛び込み、より良い社会基...

【20年春の暫定開業めざす】品川新駅建設(東京都港区)、躯体工事が完了

 JR東日本は、品川車両基地跡地(東京都港区、約13ヘクタール)での大規模開発の一環として、田町~品川駅間に山手、京浜東北両線の「品川新駅」を建設している。  現場では躯体工事が完了し、外装工事などが進む。19年秋の線路切り替え工事を経て、20年春の暫定開業、24年の全面開業を目指す。総工費は192億円を見込む。  設計はJR東日本、JR東日本コンサルタンツ・ジェイアール東日本建築設計事務所JVが担当。駅舎のデザインアーキテクトは隈研吾建築都市設計事務所が務めた。大林組・鉄建建設JVが施工を手掛けている。   新駅の建物規模はS一部RC造地下1階地上3階建て延べ約7600平方メートル。地下1階に搬入路を設け、地上1階は島式2面4線のホーム。同2階に改札とコンコースと店舗、同3階は駅施設と店舗を配置する。  施工に当たっては、施工品質の確保などを目的に溶接ロボットを活用。JR東日本の東京工事事務所品川工事区藤井裕区長は「施工条件の厳しい場所でもロボットが鉄骨の溶接作業を行うこと...

【対策未実施は1770棟】公立学校施設耐震改修、耐震化率98・9%に

文部科学省は、公立学校施設の耐震改修状況に関するフォローアップ調査の結果をまとめた。  全国にある公立学校施設の18年度(4月1日現在)耐震化率は前年度に比べ0・4ポイント高い98・9%になった。15年度末までに全施設を耐震化する目標を掲げていたが、依然として1770棟(非木造、前年度2367棟)が対策を未実施で、倒壊の危険がある。  少子化などを見据えて今後統廃合する学校の改修をためらう自治体もあるとされる。未実施の施設設置者には引き続き、早期の対策完了を求めていく。  調査は福島県双葉、大熊2町を除く全国の公立学校施設の全設置者(幼稚園、小中学校、高校、特別支援学校)を対象に実施。校舎や屋内運動場(体育館、武道場)など15万5811棟の耐震化状況、つり天井の落下防止対策状況などを調べている。  公立小中学校の対策実施状況を見ると、都道府県別では秋田をはじめ栃木、埼玉、神奈川、福井、山梨、岐阜、三重、京都、香川、熊本、大分の12府県で耐震化が完了した。  耐震化してい...

【回転窓】作詞家でもあったさくらももこさん

「ちびまる子ちゃん」が少女向け漫画雑誌に連載されて人気に火が付き、テレビアニメの放送が始まったのが1990年。いったんの休止を挟みながら、既にスタートから28年になる▼原作者の子ども時代を投影した永遠の小学3年生「まる子」を中心とする話の舞台は現在の静岡市清水区。家族3世代が一つ屋根の下で繰り広げるドラマは、来年で放映開始から半世紀を迎える「サザエさん」へと続く日曜日夕方の定番になっている▼53歳の若さで亡くなった原作者のさくらももこさんは、音楽好きでも有名。オープニング、エンディングを飾る楽曲の数々で自ら作詞も手掛けた▼スポットの当て方は秀逸。90年4月にリリースした「おどるポンポコリン」はアングラな活動をしていたブルース歌手に印象的な歌詞を歌わせて、紅白歌合戦に出場するほど大ヒットした▼人気アニメの原作者だけでなく、自らの感性を生かし作詞家としても足跡を残したさくらさん。先に亡くなった「走れ正直者」を歌った西城秀樹さんや「うれしい予感」を作曲した大滝詠一さんらと天国で、きっと...

【洪水から街を守ろう!!】関東整備局とキッザニア、10月に職業体験イベント

 関東地方整備局は、「洪水から街を守る仕事体験in荒川」と題した職業体験プログラムを、10月28日に同局荒川下流河川事務所(東京都北区)で実施する。  子ども向け職業・社会体験施設「キッザニア」を運営するKCJ GROUP(東京都中央区、住谷栄之資社長兼最高経営責任者〈CEO〉)と連携。大型台風が接近した場合の同局の新人職員という立場を想定して、仕事を体験してもらう。国土交通省とキッザニアの連携企画は全国で初めて。  小学3年生~中学3年生が対象で、同日に3回開催する。各回とも定員は30人、先着順に受け付ける。参加は無料。  災害時の行動計画である「マイ・タイムライン」の作り方も学んでもらう。国交省が行っている洪水対応などを知ってもらうとともに、身を守るために洪水リスクを考えてもらうことが狙いだ。詳細は、日本生態系協会ホームページへ。...

【業績動向、生産性向上の動きがカギ】18年4~6月期の上場企業決算、土木と管工事業が好調

人材紹介業を手掛けるヒューマンタッチ(東京都新宿区、高本和幸社長)が運営するヒューマンタッチ総研が、建設関連上場企業の18年4~6月期連結決算を基に経営分析をまとめた。  対象はゼネコン、土木工事業、電気設備工事業、管工事業の4業種(1業種当たり上位10社)。10社の合計売上高は各業種とも前年同期を上回った。経常利益は土木工事業と管工事業の伸びが顕著だった。  ゼネコンは10社のうち、5社が減収減益。ただ、通期業績でも6社が減益を予想しており、4~6月期の減益は織り込み済みとみている。土木工事業は6社が増収増益で、堅調な公共投資を背景に好調な決算となった。  電気設備工事業は増収増益3社、増収減益4社、減収減益3社。経常利益は7社が前年同期を下回った。管工事業は5社が増収増益だった。  同研究所は今後の業績動向について、「増加する工事量を確実に消化するための人材確保と、IoT(モノのインターネット)などの活用による生産性向上の実現が大きなポイントになる」と指摘。「今回の第...

【建設業の役割や使命紹介】千葉建協、県内鉄道駅にPRポスター掲示

 千葉県建設業協会(千葉建協、畔蒜毅会長)は、建設業のイメージアップを目的とするポスターを県内鉄道路線の車内や駅構内に掲示する。期間は31日~9月30日(路線や駅によって異なる)を予定している。  建設業は社会インフラの整備や維持管理以外に、災害対応などにも貢献している。こうした取り組みを一般に知ってもらう機会は限られている。千葉建協は広報活動を通じて建設業界の役割や魅力をアピールし、人材不足や後継者不足など業界が直面している課題の解消につなげたい考えだ。  掲示するポスターは3種類を用意。千葉県内で営業運転する12路線と9駅で実施する。路線はJR線(一部を除く)や東武野田線、千葉都市モノレールなど。駅ポスターはJRの千葉駅や船橋駅、千葉都市モノレールの県庁前駅など。広報活動には建設共済保険を運営する建設業福祉共済団からの助成金を活用してい...

【スタジアム・アリーナの最新技術やサービス紹介】スポーツビジネスジャパン、大阪市で開幕

 スポーツ施設とスポーツ産業全体が抱える課題解決を目指すイベント「スポーツビジネスジャパン2018 together with スタジアム&アリーナ2018」(主催=日本スポーツ産業学会など)が30日、大阪市北区のグランフロント大阪北館ナレッジキャピタル・コングレコンベンションセンターで開幕した。  会場ではゼネコンや設計事務所など国内外50社・団体がスポーツ施設の最新技術や製品、サービスなどを展示。会期は31日まで。期間中、4000人の来場者を見込む。  今回のイベントは、稼げるスタジアム・アリーナを目指した最新技術などを紹介するとともに、スポーツ施設を核にした地方の活性化策やICT(情報通信技術)を活用した新たなスポーツ産業を探るのが目的。  開会スピーチを行った日本スポーツ産業学会会長の尾山基アシックス代表取締役会長兼s最高経営責任者(CEO)は「日本はゴールデン・スポーツイヤーズを迎える。19年のラグビーワールドカップと20年の東京オリンピック・パラリンピック...

2018年8月29日水曜日

【回転窓】泡盛と仕次(しつ)ぎの伝統

沖縄の特産「泡盛」の歴史は古く、約550年前の琉球王朝時代にはその原型が製造されていたといわれる。他の同じ蒸留酒と比べても先輩にあたると、沖縄の宿で主人に教えてもらったことがある▼この泡盛を積極的に輸出しようと、政府が今年3月に沖縄振興策の一環として行動計画を公表した。2017年の輸出量(推計33キロリットル)を20年に70キロリットルと2倍、22年に100キロリットルと3倍に引き上げるのが目標だ▼泡盛は国内消費量が減少傾向にあり、輸出量も日本酒と大きな開きが見られる。今後は官民が連携して輸出環境を整備するのと同時に、訪日外国人へのPRを進めることなどの方針が示された▼家庭で泡盛のまろやかな風味を長年堪能するため、「仕次(しつ)ぎ」と呼ばれる伝統的な熟成方法がある。年数を経て熟成された泡盛(古酒)の入ったかめに、減った分だけ若い泡盛を少しずつ注ぎ足す。こうやっておいしい泡盛を育て、伝えていくのだという▼輸出量拡大へ課題の一つは、海外での認知度をどう高めるか。泡盛の香りと味わいに加...

【第4種公認競技場に再整備】富士森公園陸上競技場改修(東京都八王子市)、黒須建設JVで9月着工

 東京都八王子市は、富士森公園で計画している陸上競技場施設改修工事に9月下旬から着手する。施工は黒須建設・東邦建設工業JV。  同工事は9月議会の承認案件となっており、13億7484万円(税込み)で契約予定だ。19年10月のリニューアルオープンを目指す。工事場所は台町2の2。富士森公園内に1926年開設した陸上競技場を、日本陸上競技連盟が認定する第4種公認陸上競技場に再整備する。  観客収容人員は3000人。走路(400メートルトラック、8レーン)は土から全天候型ウレタン系舗装に変更し、インフィールド(105メートル×68メートル)は天然芝から人工芝に張り替える。改修前は雨や霜などの悪天候で年間100日ほど使用できなかったが、再整備後は天候に左右されずに使用可能。LEDナイター照明灯を8基設置し、夜間も利用できる。  併せて管理棟の改築工(木造平屋360平方メートル)、本部棟の改築工(RC造平屋370平方メートル)、観客席設置工(RC造760平方メートル)なども行う。現在、既存...

【延べ1・4万平米、設計・施工は大成建設】横浜アンパンマンミュージアム、来夏に移転オープン

横浜アンパンマンミュージアムの完成イメージ(提供:ACM、ⓒやなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV) 全国5カ所のアンパンマンミュージアムを運営するACM(東京都港区、大澤雅彦社長)は27日、横浜市西区のみなとみらい21地区(MM21)で移転・新設工事中の「横浜アンパンマンこどもミュージアム&モール」を19年夏に開業すると発表した。現施設は19年5月末に営業終了する。  移転場所はMM21地区61街区の一部(西区みなとみらい6の21ほか)。横浜市がMM21地区で新たにエンターテインメント街区と位置付けたエリア(60、61、62街区)の一画。敷地面積は5650平方メートル。定期借地で施設を整備する。  新施設は建築面積4422平方メートル、S一部RC造地下1階地上3階建て延べ1万4053平方メートルの規模。建築主は日本テレビ音楽で、ACMが運営する。設計・施工は大成建設が担当している。地下1階に駐車場、地上1階はショップとレストラン、2階にチケットカウンター、3階がミュー...

【夏休みももうすぐおしまい】子どもたち招き、各地で見学会開く

 多くの学校で夏休みが終わろうとしているこの時期、全国で子どもたちを招いた職場や工事現場の見学会が開かれている。  ◇上手に削れたかな?◇  竹中工務店は27日、大阪本店御堂ビルで働く社員の子どもたちを対象に職場見学会を開いた。  家族に仕事の内容を理解してもらうことで従業員のモチベーション向上につなげるとともに、社員が相互の家族状況を知り、各家庭への理解を深めてコミュニケーションの活発化や働きやすい職場の雰囲気形成を目的に実施。社員25人の3~12歳の子どもたち31人が参加した。  最初に竹中大工道具館の活動に参加する大工職人がワークショップを開催。子どもたちは、かんな作業やかんなを使ったはしづくり、花づくり、木組みを体験した。職人に支えられながら真剣な表情でかんなを引く姿が見られた。  杉浦慶太人事部長のあいさつに続き、子どもたちの氏名が印刷された名刺を使って「名刺交換」を行った。御堂ビル見学ツアーも実施。「御堂ビル探検隊」の隊長らの説明を聞きながら、ビルのワークプレ...

【地元小学生らが〝夢〟描く】名神高速道路下にトンネルアート完成

 大阪府吹田市の名神高速道路下トンネル(江坂町3)の壁面に地元小学生らが7~8月にかけて製作したトンネルアートの完成式が26日、同所で開かれた。  トンネルアートは市内の美術愛好家らでつくる「現代美術を楽しもう塾」(蓬田理恵子塾長)が2006年から毎年企画。トンネル壁面に明るい絵を描くことで、通行者に芸術を身近に感じて心を豊かにしてもらおうという意図の下、吹田市や日本ペイント(大阪市北区)などの後援で開催している。  市内4カ所目となる同トンネルは、昨年に西側壁面のアート製作が完成。今年は昨年に続き「ぼくの夢、わたしの夢」などをテーマに地元小学生ら234人が、7月7~23日と同30日~8月13日の計12日間で東側壁面に絵画を製作した。  プロのアーティストや大阪市立大学美術部の学生らのサポートを受けながら、延長約40メートル・高さ約3・6メートルのアートが完成。壁面には野原や海で戯れる人間と動物たちの姿など、子どもらしい自由な発想の絵画が並んだ。  完成式には後藤圭二吹田市長...

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/タンソンニャット空港を拡張

グエン・ヴァン・テー交通運輸大臣は、ホーチミン市タンソンニャット空港の拡張計画で国防省と合意し、南北両側に敷地を拡大することを決めた。同空港は国内でも最も混雑した空港とされ、航空機の待機時間が長いことが問題になっていた。  年間2500万人の設計旅客取り扱い人数に対し、17年は3600万人が利用した。政府は隣接するドンナイ省に年間6000万~7000万人を取り扱うロンタイン国際空港の建設を計画しているが、財源確保や土地収用の問題から早くても完成は2025年以降になるとみられる。  テー大臣は、タンソンニャット空港の北側210haに空港補助施設、南側70~80haに新ターミナルを建設すると明らかにした。専門家は、南北両側に拡張すると処理能力は年間6000万人に増加するとしている。 (セイ・ズン、8月16...

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓国)/建設自動化へロードマップ

早ければ来月に「建設自動化ロードマップ」の輪郭が示される。設計・施工過程で人工知能(AI)、ICT(情報通信技術)、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの未来型技術を組み合わせて生産性を高めるのがポイントだ。ロードマップは国土交通部が提示する。  現在、韓国建設技術研究院、国土交通科学技術振興院と共同で素案の作成作業中。建設会社、エンジニアリング会社など業界の意見を反映した後、来月に最終確定する。  同部は、海外建設のターニングポイントを構築するための戦略的な支援にも着手。6月に公式スタートした韓国海外インフラ都市開発支援工事(KIND)が率先してチーム・コリア(Team Korea)を導く。11月にスマートシティーや鉄道、高度道路交通システム(ITS)、スマート空港など国家需要別オーダーメード型進出方策を盛り込んだ「中長期インフラ進出戦略」を樹立し、年末までに第1号投資対象事業を選定する。 (CNEWS、8月22...

2018年8月28日火曜日

【回転窓】モーレツ社員も今は昔

忙しい、時間がない-。仕事に追われる日々の中で、ふとした拍子にこうした言葉をついこぼしてしまうことがある▼世の中に「モーレツ社員」と呼ばれた人たちがあふれていたのも今は昔。限られた時間でいかに効率良く成果を上げるか。働き方改革という目標に向かって多くの企業が知恵を絞る▼欧米に比べ労働時間が長く、過去には「ワーカホリック」と海外からやゆされたこともある日本。改革の行方がどうなるのか、気になる方も多いだろう▼行政でも残業時間の縮減などを目指す動きが出ている。奈良市が10月から都市整備部の建築指導課など4課で、事業者への窓口対応の時間を短縮し予約制も取り入れる。市長が発表した施策は「来庁者への対応時間とデスクワークの時間にメリハリを付け、生産性を高める」のが目的という▼総務省の労働力調査を見ると、非農林業従事者の就業時間は月平均で161・0時間(17年実績)。業種によっても就労時間や労働の密度に差があり、長短を一概に論じるのは難しいのだが、働き方改革によって目指すべき姿をしっかりと描い...

【総合優勝は新潟工高!!!】土木学会関東、埼玉県でコンクリカヌー大会開く

 土木学会関東支部(利穂吉彦支部長)は25日、第24回「コンクリートカヌー大会」を埼玉県戸田市の荒川調節池、彩湖で開いた。土木系学生が製作した2人乗りのコンクリート製カヌーでレースを行い、タイムや技術力、デザインなどを競った。レース順位と技術力の両面で最も優れたチームを選ぶ総合部門では、新潟工業高校の「ホエ丸」が1位に輝いた。  今回の大会には大学・高専9校、高校25校から計34チームが参加した。コースは準決勝までが300メートル、決勝はターンを含む500メートルとなる。関東地方整備局や日刊建設工業新聞社などが協賛した。  レースで1位となった新潟工業高校は、プレゼンテーション審査でも高得点を得て総合優勝を勝ち取った。  チームを率いた同校土木部の鈴木貴稀部長は「去年は惜しい形で準優勝になったので、今年は絶対優勝するという気持ちで臨んだ。チームワークで戦ったことが総合優勝につながった」と喜びを語った。佐藤勇輝顧問は「お盆休みも返上して活動に費やした子もいて、みんなよく頑張った。...

【技・人づくり専門工事業ファイル】リアル建設(東京都世田谷区)

 ◇「人材」を強みとする事業展開◇  1998年12月に発足したリアル建設(東京都世田谷区、前澤正利社長)は、土木系専門工事会社として元請、下請で数々の工事をこなし、年間40億円ほどを売り上げている。  200人近い現場作業員を社員として抱えており、人手が不足する現場の要求に即応して、5~6人の班を送り込むことができるのも大きな強み。要求に応えるべく、自社の「リアル建設職業訓練校」での人材育成にも力を入れている。  水道工事とガス工事をメインに事業を展開。水道工事は東京都水道局の発注を中心に老朽管の入れ替えや耐震管の敷設などを元請として施工する。ガス工事は東京ガスの案件で同様に老朽管の入れ替え工事などを担う。その他、無電柱に対応した電線共同溝やゼネコン、舗装会社の下請として一般土木工事まで幅広く手掛ける。  現場の作業員は30人ほどいる職長ごとの班に配属させ、必要な班数を現場に向かわせて施工に当たる。警備員も抱え、ダンプをはじめ各種重機も多く保有しており、同社に仕事を依頼すれ...

【記者手帖】インフラの重要性再確認

全国で猛暑日が続き、台風が立て続けに列島を直撃…。気象上、記録にも記憶にも残りそうな平成最後の夏がもうすぐ終わる。中でも2018年7月豪雨はとてつもないインパクトと教訓を残した。気候変動の影響とみられる異常気象は今後も続くと思って対策に努める必要がありそうだ◆今さらながらインフラの整備と維持管理の重要性を再認識した。河川やダム、砂防堰堤が防災・減災効果を発揮。道路や港湾なども救援物資の輸送に役立った。インフラがなければ現状より被害は大幅に拡大し、救援や応急復旧も遅れていただろう◆盆休みに帰省した山口県では豪雨の被害に加えインフラの老朽化も実感した。実家周辺の幹線道路は舗装がでこぼこで、中央分離帯や歩道で草が伸び放題。鉄道は車両に当たるほど草が伸びている区間があった◆くしくも帰省中の14日、イタリア北部のジェノバで高速道路高架橋の崩落事故が発生し、日本でも大きく報じられた。インフラを適切に維持しなければ大惨事になりかねない。そうした警告を世界中に発した事案と受け止めるべきであろう。...

【回転窓】小さくない書類削減の効果

複数の新聞社の記者が集う記者クラブ。お盆の前後に自席の回りを清掃するのが暗黙のルールとなっているところがある。中でも大仕事なのが数カ所に積み上がった書類の処分だ▼必要な資料を選別したり中身を見ずに梱包(こんぽう)したりと、掃除の仕方は人それぞれ。見かねた事務員さんが手伝ってくれることも。日々の選別や廃棄を徹底しようと誓っても半年後の年末、同じ行為を繰り返してしまう▼工事の受注者に提出を求める書類を減らす取り組みが活発化している。国土交通省だけでなく、一つの書類の内容でカバーできるなら別の書類の作成・提出を求めない自治体などが増えてきた▼現場関係者にとって施工管理とともに、工事書類作成は手抜きの許されない重要な業務。書類が削減できれば発注者の負担も軽くなり、働き方改革に役立つ。品質や安全の確保、きめ細かな発注業務などに費やす時間も増えるはずだ▼紙の消費の減少に頭を悩ます産業の方々には申し訳ないが、必要な書類の内容と量を追求する効果は大きいだろう。片付いた空間に身を置くといつも以上に...

【スパルタンレース、9月8日に群馬県みなかみ町で開催】日本キャタピラー、世界最大規模の障害物レースに協力

 世界最大規模の障害物レースに協力-。日本キャタピラー(東京都中野区、本田博人社長兼最高経営責任者〈CEO〉)は、9月8日に群馬県みなかみ町の水上宝台樹スキー場で行われる「スパルタンレース」のオフィシャルサポーターとして、コース施工や障害物の設置に協力する。  主力のICT(情報通信技術)建機のうち、正確で安全な作業が可能な新型油圧ショベル「Cat 320」と、細かい作業が得意なミニ油圧ショベル「Cat 303E CR」を投入。グループ会社が取り扱うフォークリフトのレンタルも行い、機械化による作業の効率化や安全性向上に貢献する。  レース当日はコース内やブース横に油圧ショベルを展示。12歳以下を対象としたレースの上位3人に建機のミニチュアなど賞品の提供を予定している。  スパルタンレースは、世界39カ国で年間165回以上開催され、100万人以上が参加する。同社は今年5月に東京ドイツ村(千葉県袖ケ浦市)で行われた前回の国内大会でもオフィシャルパートナーを務め...

【概算工事費370億円超、19年度着工へ】佐賀県、SAGAサンライズパークの施設計画素案公表

 佐賀県は、23年開催の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に対応するため総合運動場(佐賀市日の出)の既存施設の再整備、アリーナの建設などを行う「SAGAサンライズパーク(仮称)整備事業」の施設計画素案をまとめた。  延べ約2万9000平方メートルのアリーナを新設し、プールは全面的に建て替え、陸上競技場は第1種公認陸上競技場に改修する。概算工事費は370億円超を見込む。10月末をめどに基本設計を完了し引き続き主要施設の実施設計に着手。19年度に主要施設に着工、22年度の工事完了を目指す。  既存の陸上競技場の南側に新設するSAGAアリーナ(仮称)のメインアリーナは4階建て、面積は66メートル×46メートル、座席数約8000席(固定約6000席、可動約2000席)。イベント開催時に大型トラックなどが直接乗り入れできるポータブルフロア仕様とする。2階建てで面積45メートル×40メートル、座席数約500席のサブアリーナを併設する。  陸上競技場は走路の全天候舗装を全面改修し、現在...

【凜】東急建設建築事業本部・増渕真衣さん

 ◇目の前の仕事を懸命に◇  小さいころに見たテレビ番組の影響で漠然とではあるが建築に関心を持つようになった。建築科のある工業高校に進み、大学でも建築系の学部に所属して勉強に励んだ。  就職活動の時期に差し掛かったころ、設計事務所で働くことにも興味がわいた。それでも「ゼネコンに入れば設計を含め、さまざまな仕事に携われる」。そう考えて東急建設への就職を決めた。  入社後、現場で施工管理業務に従事。その後配属された見積部で5年目を迎えた。積算情報を基に、協力会社との交渉を経て最終的に発注者へ提示する見積もり作成に日々奮闘している。担当するのは外壁パネル、耐火被覆、防水など主に仕上げ工事用の見積もりだ。  見積もりは、現場経験者でも一人前になるのに10年かかるといわれる。実際、現場経験が少なく、工事の手順もなかなかイメージできない。見積もりの作成に苦戦を強いられ、自分の非力さを感じることも少なくない。  それでも、自ら見積もりを手掛けた物件が受注に至ったときは、大きなやりがいを...

【建設業の心温まる物語】明電工(埼玉県)・篠田悠さん

 ◇巡視員さんが気付かせてくれたこと◇  私が電気工事を始めて約1年が過ぎた夏のことです。その日は新築の配線工事で、私はいつも通り配線の準備をしているとハウスメーカーの巡視員さんがいらっしゃって、安全確認としてKYシートをチェックしていました。  巡視員さんは「今日は暑いですから熱中症には気を付けて、こまめに水分補給をしてくださいね」とおっしゃったので、「はい」と返事をしましたが、私はこの時、配線工事の段取りのことばかり考えていました。  午前11時半を過ぎた時、私が脚立から降りると急に足元がふらつき立ち上がっていられず、その場でしゃがみ込んでしまいました。気付けば1時間以上飲み物を口にしていなかったのです。すると先ほどの巡視員さんが来て「これは熱中症だよ」と言ってすぐに風の当たる涼しいところに私を連れて行き、飲み物や冷やすものをくださいました。  この時の症状は自分では軽いものだと考えていたので巡視員さんの処置は少し大げさに感じられて、思わず「もう大丈夫です」と言いました。...

【建設業の心温まる物語】日さく静岡支店(静岡県)・倉田茂さん

 ◇相手の立場に立って考え、行動すれば必ずいつかは報われる◇  現在、建設業は機械化やICT(情報通信技術)化がもてはやされています。これらを活用すると仕事を効率化することができます。しかし、私は日ごろからそれらを運用する人間の意識がなにより大切だと思っています。なぜなら、人付き合いの大切さを実感する出来事が私の身の回りに多々起きたからです。  私は約30年間勤務していた会社を退職し、現在の会社で約14年間働いています。リストラにより無職となりましたが、以前勤務していた会社の上司が、今働いている会社を紹介してくれました。転職後、これまでの顧客を訪ねて行ったところ、新規の仕事を発注していただきました。それも多くの会社からでした。  私は今、静岡市内で温泉を受注し掘削しています。工事金額は1億円を超えます。その工事は、以前勤務していた会社を退職した人から紹介していただきました。その方に「この人に任せれば大丈夫」と口添えしていただいたおかげで、すんなり受注が決まったのです。その方の顔...

【建設業の心温まる物語】金子工業(岐阜県)・宮崎清さん

 ◇息子に見せた現場監督の姿◇  数年前、中学校の改修工事を担当していたときのことです。その学校には息子が通っていました。  現場監督としての打ち合わせを行いながら、PTA執行部として行事や工事との関連の処理など、昼夜ずっと学校に関係した仕事をしていました。内装も外装も修繕する工事のなかで、学校の子どもたちといつも顔を合わせ、あいさつを交わしながら、時には親として学校行事を見学したり参加したりしていました。  運動会の時期のことです。私は運動場側の外部足場に応援用の横断幕をかけることを学校に提案しました。学校は快く了承してくれました。  運動会の前日に横断幕を掲示していたときのことです。翌日の運動会のために生徒全員で練習をしていたうちの1人が工事区画外の運動場から私を呼びました。生徒会長の女の子でした。私はこの子に連れられ、みんなが練習している運動場に行きました。  すると全生徒が私の前に整列し、生徒会長さんを筆頭に大きな声で「運動会のためにありがとうございます!」と工事と...

【サークル】日建設計ボランティア部

 ◇専門知識生かし被災地支援◇  2011年3月の東日本大震災の発生直後に発足した。  その春の開校が遅れた被災地域の大学生を東京オフィス(東京都千代田区)に招き、一緒に被災地の調査に取り組んだのが始まりという。学生たちのひた向きな姿勢に刺激を受け、有志でボランティア活動チームを結成。その後、会社公認の部として活動を続ける。  18年時点で設計部門やエンジニアリング部門、プロジェクト開発部門のほか、グループ会社の社員を含めて約70人が参加する。  専門知識を生かし、顔の見える具体的な支援をできる範囲で、長く続けられる活動をモットーに掲げる。現在は「逃げ地図(避難地図)」や「防災ヒントブック」の作成、仮設住宅の居住環境の改善支援などを展開している。  部員として活動する設計部門3Dセンター室兼IoT推進室の西勇さんは「災害に対して建築や都市の専門家として何ができるのかを考え、災害復興や今後の災害対策につなげていけるように活動を続けていきたい」との方針を示す。  今後は、防...

【駆け出しのころ】長大取締役上席執行役員社会事業本部長・行田茂氏

 ◇向上心と人とのつながりを大切に◇  もともとは都市計画に興味があり、大学の土木工学科に入りました。長大に入社したのは、建設コンサルタント会社の中でも先進的なコンピューター導入を推進していたからです。会社では交通計画に携わりたいと考えていました。  当時、新入社員はコンピューターの研修を兼ねて開発部に1年間配属されました。ここで新人たちに任されたのは、プレートガーダー橋の自動設計図面プログラムの作成です。私たちはまずプレートガーダー橋とはどのような構造であるかを理解しようと、紙で模型を作ることから始めました。  開発部が大型電算機を使えるのは定時以降であり、夜10時後はビルの出入りができなかったため、時には月曜から金曜まで会社に泊まって対応しました。皆で夜9時すぎに銭湯へ行き、夜食を買って会社に戻る。こんな合宿のような生活が続いたことがありました。大変な日々でしたが、上司や先輩も一緒でしたので社員間の連携が密となり、今では楽しい思い出となっています。  入社2年目に大阪事務...

2018年8月24日金曜日

【回転窓】現場で見られる名人技

百貨店で人気の催事の一つに、熟練職人の手による一品を販売する物販展がある。その魅力は販売する商品だけでなく、職人技が間近で見られる実演にもある▼都内の百貨店で行われたある物販展。老齢の銀細工職人の仕事を見ていた客の一人が「簡単に彫るのに(値段が)高いんですね」と話した場面に遭遇した時、陶芸界の巨匠の逸話を思い出した▼民芸陶器の人間国宝、故濱田庄司は晩年、ひしゃくですくった上薬を一瞬で垂らし大皿に文様を描いた。その様子を見ていた客が「これだけの大皿にたった15秒ほどの模様付けではあまりに速すぎて物足りないのではないか」と話す。すると濱田は「60年と15秒と考えたらどうか」と返した▼技の習得には長い年月がかかる。簡単そうに見える仕事の裏にどれだけの修練があったのか。建設の世界も同様で、現場でこてを使って壁にしっくいを塗る左官職人や、鉄筋を結束する鉄筋工などによるよどみのない手技には、修練のたまものと呼ぶにふさわしい匠(たくみ)の技能が込められている▼夏休みもあとわずか。各地で行われる...

【まだまだ暑いので、ブ~ンっと涼しく】ミドリ安全、ベルト装着型送風機を発売

 作業着に電動ファンを後付け-。ミドリ安全が腰ベルトに装着するだけで一般的な作業着を電動ファン付きウエアとして利用できる「後付けファン装置」を販売している。衣服が送風口をふさがない網状のカバーを付け、どんな姿勢でもしっかりと作業着内に外気を送り込む。残暑が続く中、建設現場の手軽な熱中症対策として注目されそうだ。  商品名は「ファンベルデ」。高耐性クリップでしっかりと作業着を固定するため、姿勢が乱れても風漏れを防ぐ。背面だけでなく、側面にも取り付けられる。  本体やバッテリー、スペーサー、充電用電源コードなどをセットで販売。価格は1万0800円。風量は4段階で調整でき、最長10時間作動する。  建設現場を中心に、熱中症対策として電動ファン付きウエアの普及が進んでいる。ただ、導入するには専用の作業服を新たにそろえたり、電動ファンやバッテリーなどを用意したりする必要がある。ファンベルデは、既存の作業服に空調機能がリーズナブルに装備でき...

【連鎖的にスポーツ施設建替へ】東京都、神宮外苑地区街づくり指針の素案策定

東京都は23日、「東京2020大会後の神宮外苑地区のまちづくり検討会」(座長・下村彰男東京大教授)の3回目の会合を都庁で開き、街づくり指針の素案を公表した。  既存スポーツ施設の連鎖的建て替えで新宿、渋谷、港の3区にまたがる神宮外苑地区の中核を担う新たなスポーツ施設を整備する。地域の歴史を生かした緑と交流の拠点、高度な業務・商業機能の導入などを一体で進める。  街づくり指針の対象は、神宮外苑地区(面積64・3ヘクタール)で地区整備計画が未策定の40・6ヘクタール。10月の4回目の会合で指針をまとめ2020年東京五輪後、街づくりに着手する。  聖徳記念絵画館や軟式野球場がある敷地東側を「豊かな緑と歴史の継承エリア」に位置付けた。絵画館前の開放的な中央広場を中心とした土地利用を図る。絵画館に向かうイチョウ並木の景観を保全した憩いの空間も創出する。明治神宮球場や秩父宮ラグビー場が立つ敷地中央は「スポーツ文化発信エリア」とし、広場空間の創出と大規模スポーツ施設の再編・更新を一体で行...

【9月に一般競争入札公告へ】県立体育館整備(大津市)、PFI特定事業に選定

滋賀県は、「滋賀県立体育館整備事業」について、PFI法に基づく特定事業に選定したと公表した。  施設の設計・施工と約14年の維持管理・運営をBTO(設計・移管・運営)方式で実施した場合、約6%の財政負担額軽減が見込まれるほか、効率的・安定的な事業実施や財政支出の平準化、サービス・利便性の向上が期待できると評価した。  順調にいけば、今後は9月に総合評価一般競争入札を公告、19年6月に落札者を決定する予定だ。基本計画等策定業務とPFIアドバイザリー業務はみずほ総合研究所が担当した。  24年に開催される第79回国体・第24回全国障害者スポーツ大会を見据え、施設の老朽化が進む県立体育館(大津市におの浜4の2の12)を移転建て替えし、県民のスポーツ・健康づくりと文化活動の新たな中核施設として整備する。建設予定地はびわこ文化公園都市内にある滋賀医科大学・付属病院の南側敷地(大津市上田上中野町)の約11ヘクタール。 基本計画(17年3月)で示した施設の配置イメージ 計画によると...

2018年8月23日木曜日

【回転窓】都市鉱山を掘り起こせ!

開催が約2年後に迫った2020年東京五輪・パラリンピック。競技会場の整備など、世界から来日するアスリートや観客の受け入れ準備も最盛期を迎えている▼大会で各種目のトップスリーに贈られるメダルは重要なアイテムの一つ。「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」では不要になった携帯電話などから金属を集め、金・銀・銅合わせて約5000個のメダルを製作する▼メダルに生まれ変わる小型家電の回収が始まったのは昨年4月。過去にもメダルの原材料の一部にリサイクル金属を用いた例はあったが、国民参加でリサイクル率100%を目指すのは初めての試みという▼国内に眠る都市鉱山の埋蔵量は、世界有数の天然鉱山をしのぐ規模ともいわれる。天然資源に乏しいわが国にとって、こうしたリサイクル活動は持続可能な社会の実現に欠かせない▼全世界が注目するスポーツの祭典は開催国が抱える問題や課題を解決する好機。世界に技術力の高さを発信する機会にもなる。大会をサポートする企業や団体、市民の自発的な行動の積み重ねが、社会の発...

【指定管理者に3グループ】五輪競技会場3施設の指定管理者候補決まる

 東京都は22日、2020年東京五輪の競技会場となる▽海の森水上競技場(東京臨海部)▽カヌー・スラロームセンター(江戸川区臨海町6)▽オリンピックアクアティクスセンター(江東区辰巳2)-の3施設を対象に公募していた指定管理者の候補企業・グループを公表した。9月19日に開会する定例都議会の議決を経て、指定管理者に決定する。 海の森水上競技場の完成イメージ(2016年5月時点、提供:東京都) 海の森水上競技場の指定管理者の候補には公園財団を代表とする「海の森水上競技場マネジメント共同企業体」(構成員=協栄、日建総業、野村不動産ライフ&スポーツ)、カヌー・スラロームセンターでは協栄をそれぞれ選定した。アクアティクスセンターは東京都スポーツ文化事業団が代表の「事業団・オーエンス・セントラルスポーツ・都水協グループ」(同=オーエンス、セントラルスポーツ、東京都水泳協会)を選んだ。 オリンピックアクアティクスセンターの完成イメージ(2015年10月時点、提供:東京都) 指定管理者は対...

【国際観光都市の実現めざす】愛知県、空港島周辺整備案を民間から募集

愛知県は、「MICE(国際的なイベント)を核とした国際観光都市」実現に向け、国内外の民間企業などからアイデアを募る。中部国際空港がある常滑市の空港島周辺に配置すべき機能・施設、MICE機能の強化、地域との連携策などを提案してもらう。これらを今後の具体的な計画づくりに生かす。  応募受け付けは9月14日まで。必要に応じ、10~11月に個別ヒアリングを実施する。参加できるのは、事業の開発・投資に意欲がある法人・団体。  県は、17年度に学識者らで構成する研究会を立ち上げ、検討を進めてきた。今年3月に同研究会がまとめた報告書によると、国際会議場、ハイクラスホテル、アフターコンベンション施設を整備。カジノを含めた日本型IR(統合型リゾート)も活用すべきだとしていた。  企業ヒアリングやインフラ調査などの調査業務は新日本有限責任監査法人・三菱UFJリサーチ&コンサルティングJVが担当している。  対象となる空港島と対岸部では、県国際展示場や複合商業施設「FLIGHT OF DREA...

【沖縄市にスポーツコンプレックス整備へ】東部海浜開発地区企業誘致推進検討業務、シービーアールイーに委託

沖縄県沖縄市は、中城湾港泡瀬地区埋め立て地の土地処分方法の検討などを行う「東部海浜開発地区企業誘致推進検討業務」の公募型プロポーザルで2者を審査し、シービーアールイーを選定した。近く随意契約を結び業務委託する。  業務内容は国と沖縄県の施策や市が行った調査の整理・分析、効果的な企業誘致戦略に関する提案、国内外の企業へのアンケート・ヒアリング、土地処分基本方針案の策定、事業者選定基準案の策定など。履行期限は19年3月中旬。  東部海浜開発地区は泡瀬地区の埋め立て地約95ヘクタール。国が新港地区で行っている多目的国際ターミナル整備事業の航路・泊地の浚渫土砂を有効活用し、県が21年度をめどに埋め立て事業を行っており、埋め立て後の土地利用は市が行う。健康・医療施設用地など約19ヘクタールは埋め立てが完了し、このほど行政区域への編入手続きを終えている。  スポーツコンベンション拠点の形成を目指し、土地利用としてはスポーツ施設や多目的ドーム、健康・医療施設、ホテル、商業施設、マリーナな...

【失敗してもやり通す!!】三井住友建設、土木系新入社員が研修でコンクリ桁づくりに挑戦

 新入社員だけでコンクリート桁の製作にゼロから挑戦する-。三井住友建設が土木系新入社員の実技研修でそんなユニークな取り組みを行っている。研修内容は2主版桁を6週間かけて新入社員だけで完成させるというもの。完成後にPC(プレストレストコンクリート)の緊張力検査まで行う本格的な工事で、新入社員にとって難易度は高い。失敗を重ねても最後までやり通すチャレンジ精神を身に付けてもらうことがこの研修の狙いだ。  □6週間かけてコンクリート桁を製作□  研修は7月上旬から8月中旬にかけて愛媛県新居浜市にある同社四国支店敷地内で行われた。土木系新入社員36人が8チームに分かれ、図面の作成、資材の発注、足場の組み立てなど、桁製作の一連の作業に挑戦した。  土木系新入社員を対象としたものづくりの実技研修は昨年度から実施しており、今年で2回目。研修を統括する土木本部の堀内剛本部次長は、「ゼロからものをつくることは簡単ではないが、失敗を繰り返して得た知識は忘れない」と研修の意義を強調する。  7月下旬...

2018年8月22日水曜日

【回転窓】どんぐりの恵み

 フランスの昆虫学者ジャン・アンリ・ファーブルの『昆虫記』(全10巻)の初巻が出版されてから、今年は140年となる▼あらためて読んでも昆虫の不思議な生態に驚かされるが、『昆虫記』が書き続けられていたころの売れ行きはよくなかったようだ。子供だましの内容と非難されることもあったというから、人の評価は分からない▼この季節にコナラやクヌギの木の下を見ると、緑色の葉と若いドングリの付いた枝先が落ちていることに気付かれるのでは。ゾウムシの仲間ハイイロチョッキリがドングリに穴を開けて産卵した後、枝ごと切り落としているのだという▼ふ化した幼虫は実を食べて成長し、ドングリの外へ出て土の中でさなぎになる。ファーブルが生態を記したカシシギゾウムシも同じように産卵するが、こちらは枝を切り落とすことはしない▼ドングリには難敵の昆虫だが、地面に落ちたドングリすべてが芽を出したら森は枯れてしまう。そしてゾウムシにも人間と同じくドングリを平等に分けてもらう権利がある、とファーブルは書いている。『昆虫記』が名作と...

【審査委員長は隈研吾氏】東京建築士会、首都高の高架下利用でデザインコンペ

 東京建築士会(近角真一会長)は、東京都豊島区のサンシャイン・シティ周辺を通る「首都高速道路の高架下利用」をテーマに、デザインコンペを開く。  登録期間は9月18日まで。作品の提出は10月9~26日に同会事務局で受け付ける。12月中旬の公開審査で最優秀賞や優秀賞、佳作を決定する。  デザインコンペは、2020年東京五輪の開催を控え、都市景観の改善と魅力的な都市空間を創出する目的で企画した。日本建築士会連合会(三井所清典会長)との共催。首都高の高架下を利用した建造物や空間活用でアイデアを求める。夜間に人通りが少ないエリアでにぎわいを生み出すと同時に、建築士の職能と技術を国内外に周知する狙いがある。  対象は池袋駅とサンシャイン・シティを結ぶ「サンシャイン60通り」沿道の3カ所。このうち1カ所または複数箇所の選択が可能だ。用途は限定しておらず、イベント会場といった仮設建築物も募る。  応募に当たっては、名称や提案趣旨(600字以内)、提案意図を伝えるために必要な図や写真をまと...