JR東日本は、品川車両基地跡地(東京都港区、約13ヘクタール)での大規模開発の一環として、田町~品川駅間に山手、京浜東北両線の「品川新駅」を建設している。
現場では躯体工事が完了し、外装工事などが進む。19年秋の線路切り替え工事を経て、20年春の暫定開業、24年の全面開業を目指す。総工費は192億円を見込む。
設計はJR東日本、JR東日本コンサルタンツ・ジェイアール東日本建築設計事務所JVが担当。駅舎のデザインアーキテクトは隈研吾建築都市設計事務所が務めた。大林組・鉄建建設JVが施工を手掛けている。
新駅の建物規模はS一部RC造地下1階地上3階建て延べ約7600平方メートル。地下1階に搬入路を設け、地上1階は島式2面4線のホーム。同2階に改札とコンコースと店舗、同3階は駅施設と店舗を配置する。
施工に当たっては、施工品質の確保などを目的に溶接ロボットを活用。JR東日本の東京工事事務所品川工事区藤井裕区長は「施工条件の厳しい場所でもロボットが鉄骨の溶接作業を行うことで、安定的に品質を確保できた」と効果を語る。
デザインアーキテクトの隈研吾氏は「日本らしさをアピールできる駅舎にしたいと考え、膜屋根の採用や木材の多用に取り組んだ」とコンセプトを説明。白い膜などでできた大屋根(4000平方メートル)は折り紙をモチーフとし、「全体で見ると大きな屋根を折り紙のように小さく分割して、日本らしい細やかさや優しさを表現した」という。厚さ0・8ミリの薄い膜を通して自然光が差し込む。
品川車両基地跡地の開発経緯について、JR東日本総合企画本部品川・大規模開発部の山田眞左和担当部長は「JR東日本の新たなチャレンジの目玉の一つとして、新駅と街を一体的につくることになった」と話す。
全体計画では、約5000億円(土地区画整理事業費を含む)を投じ、総延べ約100万平方メートル規模の施設群を整備する方針。具体的な内容を現在検討している。
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