記録的な集中豪雨によって西日本を中心に甚大な被害が発生してから約1カ月。この間、復旧・復興や生活再建に取り組む被災地は猛暑や台風に見舞われるなど、厳しい道のりをたどっている▼今回の豪雨によってさまざまな課題が浮き彫りになった。その一つが広い範囲で同時多発的に、甚大な災害が発生した時の対応だろう。山村や離島などアクセスしにくい地域では、救助や支援が後手に回ってしまうケースもある▼地球温暖化の影響もあってか激甚化した水害や土砂災害が列島各地で起きている。国土交通省がまとめた昨年1年間の土砂災害発生件数は1514件。2007年から10年間の平均で見ても1051件が発生している。高齢化が進む中、地域で自助と共助の力をどう高めるか、改めて考えることが求められている▼自然災害が起きた時、本当に避難できるのか、避難を支援するコミュニティーはできているのか。一人一人が自らに問い掛ける必要があり、あらかじめ被災のリスクや取るべき行動を知り、備えることも不可欠だろう▼災害発生にどう備えるのか-。守る施設と逃げる仕組みの用意が急がれる。
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