大阪府や大阪市らが大阪市此花区の人工島「夢洲地区」での開催を目指す2025年国際博覧会(万博)やIR(統合型リゾート)の誘致機運が高まる中、大手ゼネコンが準備を本格化している。
万博誘致のオフィシャルサポーターとなり誘致活動を支援したり、専門チームを関西の拠点に設置したりする企業が相次いでいる。2020年東京五輪後の目玉事業として、各社が熱いまなざしを注いでいる。
大林組は、5月に実施した機構改革で大阪本店に「夢洲開発(万博・IR)プロジェクトチーム」を新設した。チームは9人で、新田浩二郎執行役員大阪本店建築事業部担任副事業部長が担当役員に就いた。
カジノを含むIR施設の整備を解禁する特定複合観光施設区域整備法(IR実施法)が先月成立した。同地区で大阪府・市は万博誘致以外にも、IRの誘致を含む国際観光拠点の形成を目指している。プロジェクトチームは、万博やIRの実現に向けて保有する技術やノウハウを最大限に活用。創業の地である大阪、関西圏の経済発展に貢献する考えだ。
鹿島は7月、関西支店に「夢洲まちづくり開発推進チーム」を設置した。松崎公一専務執行役員関西支店長がチームリーダーを務める。建築、土木、開発のスタッフで構成する総合推進組織として、11人体制で始動した。同社は国内外で大規模複合開発やリゾート事業、街づくりなどを手掛ける。IR分野でもアジア最大級のホテルや劇場などの施設群と公共交通網整備に携わるなど実績を重ねてきた。
チームは保有技術と実績、総合力を生かし、夢洲の埋め立てが終わっていないエリアの造成やエネルギーインフラ整備、施設群の早期整備、大規模開発に伴う環境保全などを対象に、設計や施工のノウハウを提案しながら貢献していく。竹中工務店は、19年2月28日までの有期で昨年10月に「万博推進室」を設置している。
万博誘致に向け行政や企業、団体、個人が参加する誘致委員会が立ち上がっている。11月に開かれる予定の博覧会国際事務局(BIE)総会での開催地決定に向けて、誘致委のオフィシャルパートナーとして活動を支援する企業も多い。
誘致委員会事務局のホームページによると、オフィシャルパートナーとしてゼネコンでは大林組、竹中工務店、大成建設、鹿島、清水建設、森組、熊谷組、日本国土開発、長谷工グループ、三井住友建設、奥村組、村本建設、青木あすなろ建設、高松建設らが名を連ねている。
万博の大阪開催が決まった場合、会場に整備するパビリオンなどの施設建設費は計約1250億円を見込む。万博開催に合わせて地下鉄を延伸したり、道路を拡張したりする構想もある。
2018年8月17日金曜日
【大阪・夢洲地区に熱視線】大手ゼネコン、万博・IR見据えへ準備着々
8月 17, 2018
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