文部科学省は、公立学校施設の耐震改修状況に関するフォローアップ調査の結果をまとめた。
全国にある公立学校施設の18年度(4月1日現在)耐震化率は前年度に比べ0・4ポイント高い98・9%になった。15年度末までに全施設を耐震化する目標を掲げていたが、依然として1770棟(非木造、前年度2367棟)が対策を未実施で、倒壊の危険がある。
少子化などを見据えて今後統廃合する学校の改修をためらう自治体もあるとされる。未実施の施設設置者には引き続き、早期の対策完了を求めていく。
調査は福島県双葉、大熊2町を除く全国の公立学校施設の全設置者(幼稚園、小中学校、高校、特別支援学校)を対象に実施。校舎や屋内運動場(体育館、武道場)など15万5811棟の耐震化状況、つり天井の落下防止対策状況などを調べている。
公立小中学校の対策実施状況を見ると、都道府県別では秋田をはじめ栃木、埼玉、神奈川、福井、山梨、岐阜、三重、京都、香川、熊本、大分の12府県で耐震化が完了した。
耐震化していない学校がある172市区町村の回答結果から、スケジュール通りに進めば耐震化していない建物は、17年度末の978棟(前年度1399棟)が18年度末に733棟、19年度末は511棟、20年度末に360棟まで減ることが分かった。23道府県の61市町村は「未定」と回答した。
全設置者で進める屋内運動場のつり天井落下防止対策は、実施率が前年度から1・1ポイント増の97・2%。未実施の残棟数は1179棟(前年度1646棟)。つり天井以外の非構造部材(天井材、窓ガラス、内外装材など)を対象にした耐震点検の実施率は84・4%と比較的高い水準にある。ただ耐震対策の実施率は39・4%にとどまる。
老朽化した建物でガラスの破損や内外装材の落下など、非構造部材の被害が拡大する可能性が高くなることを踏まえ、文科省は同部材の落下防止を含めた老朽化対策を推進していく。
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