夏季休暇中に東京都心で行われた花火大会を見ようと、混雑する会場から少し離れた「穴場スポット」の当てが見事に外れてしまった。高いビルに阻まれて音しか聞こえない。結局、花火が見える場所を求めて夜の東京をさまようことに◆半年前、3年ぶりに地方勤務から東京に戻った。転勤前の東京では、2020年オリンピックの開催が決まったばかり。競技場の整備計画や五輪開催を照準にした都市計画が相次ぎ打ち出され、取材に奔走した◆夜の東京を歩きながら、当時の青写真が現実のものとなってきているのを感じた。至る所で新たなビルが出現し、当時「設計者が決まった」などと記事に書いた物件の工事も最盛期を迎えている。迫り上がるビルの向こうの花火は見えなくなってしまったが◆あきらめかけたころ、坂の中腹に穴場を発見。林立するビルの合間から夜空がのぞいていた。建設途中のビルが完成の高さまで至っていないことが幸いした。東京は変化のまっただ中。来年にはそこでも花火は見えなくなるだろう。また新たな穴場を探さなければ。(ゆ)
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