2018年8月3日金曜日

【事業費900億円、新東名6車線化へ前進】社整審道路分科会部会、御殿場~浜松いなさJCT間6車線化「妥当」評価

政府が成長戦略の施策に据える新東名高速道路の6車線化整備が本格始動する。

 社会資本整備審議会(社整審、国土交通相の諮問機関)道路分科会の事業評価部会(部会長・石田東生筑波大名誉教授)は2日、暫定4車線区間が残る御殿場ジャンクション(JCT、静岡県御殿場市)~浜松いなさJCT(浜松市)間の6車線化整備を「妥当」と評価した。事業費は約900億円。

 御殿場~浜松いなさJCT間は延長約145キロで、うち約55キロを6車線で運用中。残る約89キロは4車線で暫定運用されており、実質的な今後の6車線化整備区間に当たる。将来の6車線化を見越し余裕のある幅員を確保するなど、比較的簡易な改修工事で対応できる構造となっている。

 国交省によると、6車線化工事では走行車線を上下線に1本ずつ増設するため、暫定的に設置しているラバーポールの撤去や盛り土区間に残る土工切り残し部の切り土、大型トラックの走行に耐えるための舗装打ち換え、区画線改良、遮音壁の移設などを行う。

 国交省は高速道路事業を認可する立場から、中日本高速道路会社が主体となり、有料道路事業方式で進める手法を想定する。

 今回の6車線化工事では新たな用地買収の必要性がないため、事業費の大部分を工事費が占める。事業の期間や日程は未定だが、最終的に国交相の認可が必要となる事業化手続きを経て「できるだけ早く着工、完了したい」(道路局高速道路課)方針だ。

 6月に閣議決定した国の18年度成長戦略「未来投資戦略2018」では、新規施策として新東名高速と新名神高速道路の6車線化が位置付けられた。物流のさらなる円滑化や大規模災害に対する多重防護という観点から、三大都市圏(東京、名古屋、大阪)の行き来をより効率的、安定的に行えるようにする狙いがある。

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