毎年8月、埼玉県で土木学会関東支部による「コンクリートカヌー大会」が開かれている▼今回は東北から九州まで39チームが結集。全国土木系学生が手作りのコンクリートカヌーに乗り込み、タイムや機能美を競った。決勝戦はゴール間際まで3チームが競り合う白熱の展開に。新潟工業高校が1秒差でゴールを駆け抜け、総合部門で初優勝を飾った▼新潟工高土木部で部長を務める鈴木貴稀さんは、レース後に「チームワークが総合優勝につながった」と笑顔で語った。鈴木部長は代表から漏れてしまい、裏方として出場選手を支えたそうだ。佐藤勇輝顧問は「裏方の子が船を持ち運ぶなど頑張ってくれ、大きな力になった」と話す▼同校はかつて、作ったカヌーが沈没するような弱小チームだった。強豪校からアドバイスをもらいながら改良を重ねてきた。参加校同士が互いに高め合う状況も生まれている▼同支部の利穂吉彦支部長は「技術や人、チームワークという要素はわれわれのものづくりと共通する」と指摘する。頼もしい若者たちが建設の世界に飛び込み、より良い社会基盤を造る仕事に挑戦してくれたらうれしい。
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