2018年8月28日火曜日

【回転窓】モーレツ社員も今は昔

忙しい、時間がない-。仕事に追われる日々の中で、ふとした拍子にこうした言葉をついこぼしてしまうことがある▼世の中に「モーレツ社員」と呼ばれた人たちがあふれていたのも今は昔。限られた時間でいかに効率良く成果を上げるか。働き方改革という目標に向かって多くの企業が知恵を絞る▼欧米に比べ労働時間が長く、過去には「ワーカホリック」と海外からやゆされたこともある日本。改革の行方がどうなるのか、気になる方も多いだろう▼行政でも残業時間の縮減などを目指す動きが出ている。奈良市が10月から都市整備部の建築指導課など4課で、事業者への窓口対応の時間を短縮し予約制も取り入れる。市長が発表した施策は「来庁者への対応時間とデスクワークの時間にメリハリを付け、生産性を高める」のが目的という▼総務省の労働力調査を見ると、非農林業従事者の就業時間は月平均で161・0時間(17年実績)。業種によっても就労時間や労働の密度に差があり、長短を一概に論じるのは難しいのだが、働き方改革によって目指すべき姿をしっかりと描いておかなければ、本末転倒になりかねない。

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