開催が約2年後に迫った2020年東京五輪・パラリンピック。競技会場の整備など、世界から来日するアスリートや観客の受け入れ準備も最盛期を迎えている▼大会で各種目のトップスリーに贈られるメダルは重要なアイテムの一つ。「都市鉱山からつくる! みんなのメダルプロジェクト」では不要になった携帯電話などから金属を集め、金・銀・銅合わせて約5000個のメダルを製作する▼メダルに生まれ変わる小型家電の回収が始まったのは昨年4月。過去にもメダルの原材料の一部にリサイクル金属を用いた例はあったが、国民参加でリサイクル率100%を目指すのは初めての試みという▼国内に眠る都市鉱山の埋蔵量は、世界有数の天然鉱山をしのぐ規模ともいわれる。天然資源に乏しいわが国にとって、こうしたリサイクル活動は持続可能な社会の実現に欠かせない▼全世界が注目するスポーツの祭典は開催国が抱える問題や課題を解決する好機。世界に技術力の高さを発信する機会にもなる。大会をサポートする企業や団体、市民の自発的な行動の積み重ねが、社会の発展や変革につながることを期待したい。
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