2018年11月27日火曜日

【回転窓】市場移転後の築地

 東京都中央卸売市場「豊洲市場」が開場して間もなく50日。市場移転正式決定から17年。土壌汚染問題など紆余(うよ)曲折を経ての開場だっただけに当初は種々の混乱も報じられたが、新しい物流システムが徐々に軌道に乗ってきたようだ▼市場移転後の築地はどんな様子かと、お昼時に合わせて足を運んでみた。休市日に当たる水曜は場外市場商店街が指定する自由営業日であったが、銀座に近い地の利もあって、平日ながらまっすぐ歩けないほど多くの人出でにぎわい、その8割近くを訪日客が占めていた▼築地が「市場のまち」として都内でも有数の観光スポットとなり得たのは、プロのための場内市場だけでなく一般も利用できる場外市場があったことが大きい。店舗数460店。鮮魚はもとより、魚類加工品、生鮮品、乾物から調理道具、厨房器具まで手に入る▼場内市場の豊洲への移転で場外市場の来客数減少を危惧する声が多く聞かれ、実際、移転直後は売り上げの落ち込みを嘆く店主のため息も漏れ聞こえていたものの、安定したインバウンドの需要に支えられ、ひとまずは胸をなでおろしている様子だった。

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