2018年11月26日月曜日

【高力ボルトが足りない】需給逼迫、納期長期化で工期に影響も

建築構造材の接合などで使用する「高力ボルト」が足りない-。

 国土交通省が10月時点の動向を調査した結果、全国的に需給が逼迫(ひっぱく)傾向にあり、通常1・5カ月程度の納期も6カ月程度まで長期化していることが分かった。旺盛な建築需要と鋼材供給の遅れが主因。納期の遅延が工期にも影響している。3カ月後も同様の傾向が続く見通しだ。

 国交省は建設現場で高力ボルトの需給逼迫の声を受け、鋼材などを取り扱う供給と需要の両者を対象に緊急調査(10月25日~11月2日)を実施。有効回答は305社で、このうち高力ボルトの取り扱いがあると答えたのは159社だった。

 調査結果をみると、全国平均で価格は「やや上昇」、需給は「逼迫」となった。地域ごとのばらつきはなく、全国的に「やや上昇」「逼迫」の傾向となった。3カ月後も同様の傾向が予想されている。

 納期も長期化していることが判明。要因には「ここ数年建築の物件が多く、鉄骨需要が旺盛な状況が続いている」をはじめ、「鋼材の供給が追い付かず、ボルトメーカーの生産が需要に追い付いていない」や「溶接工不足により鋼材の継ぎ手部がボルトに変更されたため需要が増えた」といった回答が寄せられた。

 納期の遅延が工期に影響していると約8割の社が回答。対応策には「工期や工法の変更などを発注者と協議している」「必要なボルトの早期発注を行う」などが上がった。

 建設だけでなく自動車や機械などでも鋼材需要が増加している。鉄鋼メーカーはフル生産を続けているが、需給緩和に向けて「なかなか打つ手が見つからない」(土地・建設産業局建設市場整備課)状況にある。

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