◇東京・品川に巨大な穴◇
JR東海は28日、東京都品川区で施工中のリニア中央新幹線(東京・品川~名古屋間)「北品川非常口」の現場を報道陣に公開した。都市部の非常口の現場内部を公開するのは初めて。北品川は首都圏9カ所に設ける非常口の中でも先行して工事が進む。現在は内部の壁の構築に向けた鉄筋の組み立て作業が進んでいる。
北品川非常口の建設地は北品川4。リニア新幹線品川新駅から1・5キロ南側に位置する。工事期間はリニア新幹線が走行するトンネルを構築するシールドマシンの発進立坑となる。開業後は避難設備や換気設備などを設け、非常口として活用する。
JR東海は北品川非常口の工事契約を16年4月に結び、工事に着手。地中連続壁の構築を経て、今年6月に地下約89メートルの掘削が完了した。今月10日には底面のコンクリート(厚さ約6メートル)の打設を終えた。
◇内部の壁面構築作業進む◇
北品川非常口の現場について、現場で取材に応じたJR東海の吉岡直行中央新幹線建設部担当部長は「京浜東北線や東海道新幹線といった鉄道に加え、目黒川、山手通り(環状6号線)にも面している中、固い地盤を掘削する難易度の高い工事」と説明。「関連する地域と連携を密にしながら、工事の安全と環境の保全に配慮していく」と話した。
北品川非常口の掘削や、南側に設ける変電施設の地下部の施工は、清水建設・鴻池組・竹中土木・名工建設JVが担当している。工期は20年7月まで。非常口は北品川のほか、首都圏8カ所、中京圏4カ所で計画。およそ5キロ間隔で整備する。
北品川非常口は第一首都圏トンネル(延長約36・9キロ)のうち、東京都港区港南~川崎市中原区等々力間(延長約9・2キロ)の発進立坑となる。
トンネルの都内区間はほとんどが地下40メートル以上の大深度地下となる。施工者は熊谷組・大豊建設・徳倉建設JV。現在、シールドマシンの設計作業中で、発進に向けた準備が着実に進んでいる。
吉岡担当部長は「土かぶりは最大90メートルに及び、難工事が予想される。地域住民に十分な説明をしながら進めていく」と語った。
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