宮崎県小林市が先月、「シムシティ課」と名付けた新組織を立ち上げた。スマホ用アプリ「シムシティ ビルドイット」(エレクトロニック・アーツ)を活用しながら、地元の高校生らとのワークショップを開催。若い世代をターゲットに、街づくりへの関心を高める狙いがあるそうだ▼ゲームで実際の小林市の街を再現し、各自が描く理想の姿を具現化する。遊び心を持ちながら高校生と市役所の職員が街を作り上げていくのは、アイデアにあふれた新しい試みといえるだろう▼ゲームは新たなコミュニケーションツールとして、デジタル社会に慣れ親しんだ若者たちと現実社会の架け橋になる。仕掛け人は宮原義久市長。若者の政治離れや行政への無関心さなどを打開し、地域の未来を担う人材育成につながることを期待する▼インターネットの活用範囲が広がり、人と情報を結びつけるツールも多様化。主役の座は新聞やテレビといったメディアから、スマホやパソコンなどのIT機器に移りつつある▼新聞記者になってから今年で20年。紙面を構成する活字には、ネットで拡散する文字にはない伝達力が宿っていると信じている。
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