2018年11月27日火曜日

【記者手帖】切手に時代の変遷を見る

1964年の東京五輪を控えた時期に発行された寄付金付き切手の小型シートを求めて切手店を訪ねた。全6種類がそろっており、購入することができた。店のご主人に聞くと、2020年東京五輪が近づいてきた影響もあって、前回の五輪関連の切手を探しにやってくる客が増えているそうだ◆購入ついでに日本切手カタログも買い求めた。戦前から今日までに発行済みの全ての切手を完全収録したカタログだ。帰宅して見ていると、面白いことに気付いた◆高度成長期に鉄道、橋を含めた土木施設完成を祝う記念切手が非常に多い。56年の佐久間ダム、57年の小河内ダム、58年の関門トンネル、59年の児島湾堤防、62年の北陸トンネル、若戸大橋、63年の名神高速道路、64年の首都高速道路、東海道新幹線、69年の東名高速道路、73年の関門橋…。今も日本を支える施設がめじろ押しだ◆以降、その数は極端に減り、平成では北海道新幹線開業だけ。土木施設への関心が薄れているのか。それとも切手の魅力が低下しているのか。カタログに時代の移り変わりを見た気がする。(石)

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