2018年11月16日金曜日

【回転窓】G空間情報の活用で広がる夢

ギリシャ神話に登場する伝説の都市トロイ。その実在を証明したドイツ人実業家のハインリッヒ・シュリーマンは多くの資金と人をかけて発掘調査した▼技術の進歩とともに地表や地下の調査方法も変わってきた。調査の潮流を変えたのはレーザースキャン技術。航空機に搭載した装置は森林の下に隠れた人工物の特定も可能。海外では2週間で300平方キロの範囲を探査した実績もあるという▼技術進化は日進月歩。わずかな時間でそれまで不可能だったものが可能になる。15日に東京都内で開幕した「G空間EXPO2018」には、準天頂衛星システム「みちびき」を使った高精度測位サービスや高性能レーザースキャン技術などが並んだ。わずか数センチの誤差で位置を特定する衛星が今後、どのようなサービスを生み出すのか夢も膨らむ▼考古学界が次に期待するのは空から地中や構造物の中まで透過する技術だそう。ハードルの高い要望といえるが、「本当の技術革新はこれから」との力強い声も▼G空間EXPOの会期は17日まで。生活にも役立っている地理空間情報を活用した技術やサービスを体験してみてはどうか。

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