2018年11月14日水曜日

【回転窓】現代の名工と技術貢献

卓越した技能を持ち、その分野の第一人者が対象となる「現代の名工」に、本年度は建設部門を含む150人が選ばれた。昨年より1人多く、12日に東京都内で表彰式が開かれた▼厚生労働省の発表資料を見ると、古代鋳造技術の考察を踏まえた銅鐸(どうたく)の復元製作、製鉄用連続鋳造金型への合金めっきなど、表彰対象の技能はさまざま。いかに多種多様な専門技能が日本のものづくりを支えているかが分かる▼受賞者の一人で工芸品「多摩織」の名工・澤井伸さんは、伝えられた技術を生かして新しい生地の開発にも取り組み、米巨大IT企業に技術供与もするなど世界的な評価を得ている(11日時事)。伝統技術が分野や国を超えて活用されている一つの好例でもあろう▼18年度の「現代の名工」が発表されたのと同じ11日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機から分離された小型回収カプセルが地球に戻り、小笠原諸島・南鳥島沖で回収された。日本の宇宙技術の歴史を塗り替える大きな成功だという▼身近な環境づくりから最先端の宇宙開発まで、建設産業の技術が貢献できる領域もまだまだ広い。

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