2018年11月8日木曜日

【世界最大級の木構造梁使用】有明体操競技場建設が後半突入、施工は清水建設

 清水建設が施工を担当している2020年東京五輪競技会場の一つ「有明体操競技場」(東京都江東区)の建設工事が、完成に向けた折り返しに入った。

 現在は外装工事と並行して競技場の特徴である木構造の大屋根を施工中だ。大屋根には世界最大規模となる88メートルのアーチ状梁を使用。木構造梁は19年5月まで5回に分けて地上30メートルの高さにまで引き上げる予定で、7日に2回目のリフトアップが行われた。 =1面参照

 有明体操競技場は2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(森喜朗会長)が発注。基本設計を日建設計、実施設計と施工を清水建設が担当している。

 施設は大屋根を中心に国産木材をふんだんに使用している点が特徴だ。使用する木材の量は五輪関連施設の中で最も多い約2300立方メートル。うち1500立方メートルを屋根に使用しており、これにより屋根の重量が鉄骨を使用した場合と比較して半分になった。外部コンコースの上に斜めに張り出した外壁にも木材が使われており、高橋秀通日建設計設計部門設計部長(設計)によると「日本建築特有の縁側のような空間を表現した」という。

有明体操競技場の完成イメージ(ⓒ tokyo2020)
施工に当たっては安全性と施工効率の向上に向けて作業工程などを工夫。アーチ状の木構造梁は地上作業で照明や音響などの設備をあらかじめ設置しておくことで、架設後の高所作業を極力減らした。足場にはキャスター付きの移動足場を採用し、作業工程ごとに使い回して組み立て・解体の手間を省いた。
有明体操競技場の内部イメージ(ⓒ tokyo2020)
同日のリフトアップでは、油圧ジャッキを使って1時間当たり5メートルの速度で所定の位置まで引き上げた。19年5月までに残り3回のリフトアップを実施する。現場を統括する清水建設の永田正道所長は「リフトアップのサイクルを繰り返していくことで作業手順に慣れてもらい、施工のスピードアップを図る」と話している。

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