2025年万博の会場になる大阪湾の人工島「夢洲」 |
万博の会場は大阪湾の人工島「夢洲」の約155ヘクタールに整備される。パビリオンなどの施設建設に約1250億円を投じる見通し。地下鉄など交通インフラの整備・拡充も進めるほか、万博の隣接地では大阪府・市がカジノを中核とするIR施設を24年度までに開業させる考えを表明している。
陸側でも大規模な開発プロジェクトが始動。JR大阪駅北側に広がる「うめきた2期地区」(大阪市北区大深町)の開発事業者として、都市再生機構が三菱地所を代表とする民間15社のグループを7月に選定。約4・6ヘクタールの敷地にオフィスやホテル、商業施設、マンション、MICE(国際的イベント)施設など、総延べ52万平方メートル超の施設群を建設する。
万博前年の24年夏には「うめきた2期」開発事業が街びらきを迎える予定。吉田社長は「うめきた2期のプロジェクトでは『みどりとイノベーションの融合拠点』を街づくりの目標に掲げ、中核機能として国際集客・交流施設のほか、最先端技術を積極的に取り入れたイノベーション拠点を整備する」と説明。未来志向の考え方は大阪万博の方向性と類似していることを踏まえ、地域の発展・活性化や日本の国際競争力の向上などで相乗効果をもたらすことに期待を込める。
他のデベロッパー関係者からも「大阪万博を機に交通インフラの拡充など、未来に向かい、より継続的・持続的な経済効果をもたらすような大阪湾部の開発を望む」(大京幹部)、「万博のオフィシャルスポンサー・パートナーとして関わっており、大阪という土地が注目される起爆剤となり、長い目線で非常に影響力のあるイベントだ」(東京建物関係者)といった期待の声が上がっている。
日本市場でIR施設の開発プロジェクトへの参入を目指す欧米の関連企業も大阪万博の決定を大きな商機ととらえている。米ラスベガス・サンズのグローバル開発担当者は「万博とIR施設の相乗効果によって、大阪を国際観光都市としてさらなる段階へ発展させる。大阪の新たな歴史を刻むことに貢献できる日が来ることを楽しみにしている」とコメントを発表。香港のメルコリゾーツ&エンターテインメントの首脳も「プレミアム層の観光客を引きつける21世紀型の新しいIRをつくることで、日本経済に貢献していく」とメッセージを発信した。
米シーザーズ社が公表した大阪でのIR施設開発イメージ |
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