外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法(入管法)改正案がきょうの衆院本会議で審議入りする。与党は「移民」という言葉に敏感に反応し、政府も「移民政策ではない」とするが、日本の入国管理政策の大転換となるだけに審議の行方から目が離せない▼2日に閣議決定した入管法改正案は、新たな在留資格の創設を打ち出した。特定技能1号と同2号の二つ。在留期間が通算5年の特定技能1号は「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に与えられる▼この1号資格の対象として想定されているのは、人手不足が深刻で日本人の労働者が集まらない14の業種。ほかならない建設業もその一つ▼過去にも外国人労働者の受け入れ論は幾度となく浮上したものの、日本人労働者の処遇改善が先決として、第一歩は踏み出せないままだった▼特定技能1号の要件となる「相当程度」の知識・経験がどの程度のものなのかは、まだはっきりしていない。「単純労働は考えていない」というのが山下貴司法相の弁。しかし「単純」な労働など、14業種にはないだろう。大きな一歩への慎重な審議をお願いしたい。
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