2019年7月29日月曜日

【皮付き丸太使う工法採用】清水建設、新天皇即位儀式に使う大嘗宮の建設着手

 清水建設は26日、新天皇の即位儀式を行う「大嘗宮(だいじょうきゅう)」の造営工事に着手したと発表した。

 同日、現地で関係者による大嘗宮地鎮祭が開かれた。宮内庁から受注し、東京都千代田区の皇居・東御苑に建設する。大小約40棟の建屋で構成。建屋の一部には皮付きの丸太をそのまま使う日本古来の工法を採用する。即位儀式は11月14~15日に行われる予定で、10月末までの完成を目指す。

 大嘗宮は新天皇が新穀を神々に供えて世の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る「大嘗宮の儀」を執り行う施設。大嘗宮を構成する建屋約40棟のうち、大嘗祭の祭場となる「悠紀殿(ゆきでん)」、「主基殿(すきでん)」など約30棟の殿舎が木造建築となる。

 建屋はいずれも平屋で、最高高さ約9メートル、総延べ床面積約2600平方メートル。悠紀殿、主基殿、廻立殿の3棟には「黒木造り」と呼ばれる皮付き丸太をそのまま使用する工法を採用。柱はカラマツの黒木、悠紀殿と主基殿の2棟は屋根上に千木(ちぎ)と勝男木(かつおぎ)を備える。殿舎には木材約550立方メートルを使用する。

 同社は大嘗宮の造営に当たり、「(国宝)出雲大社平成の大遷宮」を納めた熟練の工事長を責任者とする、神社仏閣建設の経験者を集めた全社横断のプロジェクトチームを結成。北陸、関東、東北地方から宮大工を確保した。工事の最盛期となる8月下旬には、約120人の宮大工が現場に入る予定だ。

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