2019年7月4日木曜日

【子どもたちと一緒に砂場をお掃除】茨城建協建設未来協議会、今年も「砂場クリーン作戦」決行!!

 子どもたちが安全に遊べる場を-。茨城県の若手建設業経営者らが2014年度から県内で「砂場クリーン作戦」と呼ぶボランティア活動を続けている。

 今年も那珂市内の保育園にメンバーが集まり、建設工事の技術を使って園庭にある砂場をきれいにした。園児たちも「がんばれー!」と声援を送ったり、砂のふるい分けを手伝ったりしながら建設の仕事に触れた。

 砂場クリーン作戦を実施しているのは、茨城県建設業協会(石津健光会長)の若手経営者らでつくる「建設未来協議会」(大曽根理一郎会長)。衛生管理が不十分になりがちな砂場で子どもたちが安心して遊べるようにという思いを込め6年前から活動している。担当するのは協議会の地域貢献活動委員会(内藤裕一郎委員長)だ。

 クリーン作戦では保育園に持ち込んだ小型重機を使って砂場を掘り返し、専用器具を使って砂をふるいに掛けて異物を取り除く。その合間に消毒液で砂の除菌・抗菌処理も行い、砂場を徹底的にクリーニングしていく。

 今年、作戦決行の場所に選んだのは社会福祉法人豊潤会(大貫信正理事長)が那珂市後台で運営する「ごたい保育園」(磯野百代園長)。豊潤会が運営する三つの保育園で建設に携わってきた浅川建設(那珂市)が話を持ち掛け、実現にこぎ着けたという。

 作戦当日の6月27日は砂場の清掃に加え、園舎前のグラウンドに新しい砂場と小高い山を用意した。協議会の近隣メンバーを中心に前日から準備し、当日も朝から厳しい日差しが照り付ける中、30人ほどのメンバーが割り当てられた作業に黙々と取り組んだ。その姿に興味津々の園児たちは、作業をじっと見守り、時には「がんばれー!」と大きな声援を送っていた。

 準備が整った後は園児たちも作業に参加。ヘルメットをかぶった子どもたちは、あらかじめバックホウで掘削しておいた砂をふるいに掛ける作業を手伝った。

 取り組みに協賛するコマツ茨城(水戸市)は電動の砂ふるい機や発電機、電工ドラム、ミニバックホウ、高所作業台、2トンダンプトラックといった機器を提供した。手伝いを終えた後、園児たちは園庭に持ち込まれたミニバックホウに試乗。数メートルの高さまで上がっていく高所作業台にも乗り込んだ。見慣れた風景を高い所から見下ろし、大喜びの様子だった。

 磯野園長は、遊び場をきれいにする作業や山を盛る作業を目の前で見て、仕事を体験することが、子どもたちにとって貴重な体験になると話す。建設未来協議会の地域貢献活動は「将来の自分たちの希望になってくれると思う」とも語る。

 保育園では以前、事務作業を園児たちが昼寝をしている時間に行っていた。最近は「普段からそうした仕事もあえてみせることを意識するようにしている」(磯野園長)という。仕事を見せることで興味を引き出し、人と関わる機会を多くするのが目的という。

 園の方針にも合致する砂場クリーン作戦。磯野園長は「未来を担う子どもたちにとって夢と希望の職業が選択できる機会になったと思う」と、協議会のボランティア活動に感謝していた。

 5月の総会で就任した大曽根会長は、ボランティアとして行う砂場クリーン作戦を通じて「安全な遊び場を提供するだけでなく、体験を通して子どもたちが心に何かを感じてもらえれば」と話す。作戦を実行する協議会メンバーにとっても「記念に残る活動にしていきたい」とする。

 地域に根付く建設業界の取り組みを通じて「園児や先生たちに喜んでもらいたい」と話すのは地域貢献活動委員会を担当する鈴木達二副会長。大曽根会長は県内建設業界が直面する課題が「一朝一夕に解決することはない」として、建設未来協議会のこれまでの方針を踏襲し、各種事業を継続していくことが重要だと語る。

 開始から6年がたった砂場クリーン作戦の活動も途絶えさせずに続けていくことを重視。子どもたちに建設業への関心を寄せてもらい、将来の業界を担う人材となってもらう上での大きな原動力になることが期待される。

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