◇理想持ち続け真摯に仕事を◇
思い立ったら即行動する。大学を1年間休学し、インドネシアのジャワ島で日本語教師として働いた。高校生の時に読んだバックパッカーのブログで東南アジアに興味を持ったのがきっかけだった。東日本大震災の翌年、東京を離れ仙台市の大学院へ進学。復興の過程を自分の目で見ながら調査研究したいという思いで決断した。
大学院を修了した2014年、国土交通省に事務官として入省。もともと「人の生活を支える仕事がしたい」と公務員志望だったが、国交省を選択したのはインドネシアや東北で生活した時、インフラや街づくりの大切さを実感した経験が大きいという。
入省後、最初に配属された道路局で踏切道改良促進法の改正に携わり、下調べや調整に奔走した。次の自動車局ではバスの安全確保対策を強化した道路運送車両法の改正に加わった。16年1月に長野県軽井沢町で起きたバスの事故が発端だったこともあり、「同じような事故を繰り返してはいけないと思いながら法律を作った。実際に効果が出てくるのは今後だろうが対策の第一歩に関わり、やりがいを感じた」。
現在は内閣府で災害時の情報収集や政府内の連絡調整を担当。気が抜けない日々を過ごす。「尊敬する先輩方はいつも自分の理想を掲げ真摯(しんし)な姿勢で仕事をしている」。だから「自分もそうありたい」と強く思っている。
(いたがき・ゆかり)
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