◇オリンピアンが建設現場を訪問◇
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は22日、東京都と進めている「有明体操競技場」の建設現場を報道陣に公開した。
2020年東京五輪で使用し、体操などの競技を行う。規模はS造3階建て延べ約3・9万平方メートル(付随施設含む)。五輪の競技会場で木材を最も多く用いており、使用した国産材は2300立方メートルに達するという。
施設は基本設計を日建設計、実施設計と施工を清水建設が担当している。進捗(しんちょく)率は8割を超えている。屋根の架設後に内部を公開するのは初めて。「日本の木の文化を感じさせるおおらかな空間」などをコンセプトとしており、屋根は圧縮に強い木の特性を生かした長さ88・8メートルのアーチ梁となっている。日建設計の高橋秀通設計部門ダイレクターアーキテクトは「シンプルなかまぼこ形状。選手が木のぬくもりを感じ、落ち着いて競技できるよう心掛けた」と語った。
アーチ梁は北海道と長野のカラマツ、客席のベンチは三重の杉、外装は静岡と宮崎、秋田の杉をふんだんに使用した。現場の永田正道所長(清水建設)によると、「木の温かみを感じるアスリートファーストの建物」を目指しているという。木材は資機材の調達ネットワークを駆使し、早くから準備した。現場の工程は順調に進んでいる。
22日は五輪出場経験のある体操競技の冨田洋之氏、新体操の田中琴乃氏、トランポリンの伊藤正樹氏が現場を訪れ、工事関係者から工事や施設の説明を受けた。冨田、田中両氏は清水建設の協力会社の職長をはじめ、工事関係者の前でデモンストレーション演技を披露した。
屋内を視察した田中氏は「建築が好きでよく見に行きます。(木が多く)神聖な感じ、ほっとした気持ちで守られるように演技できると思う」と語った。
0 comments :
コメントを投稿