2019年7月4日木曜日

【回転窓】安全が第一

全国安全週間に入り、建設各社がパトロールや講習会などを相次ぎ行っている。多くの関係者が気を引き締め直しているところだろう▼ある安全大会で労働基準監督署長が自身の話をしていた。自宅に帰った時、建設会社で働く息子の靴が並んでいると心底ほっとするのだという。「監督署はたいしたことはできない。現場の皆さんが真剣にやるしか事故を防ぐ手だてはない」。その方のあいさつを聞き、それが親として切実な願いなのだと胸に響いた▼現場のスローガンで掲げられる「安全第一」。1906年に米大手製鉄会社USスチールの社長が提唱した経営理念で、「品質第二、生産第三」と続く。もともとは「生産第一、品質第二、安全第三」の順だった▼方針を切り替えたところ、災害減少とともに品質や生産性の向上につながり、成功体験として世界に広がった。建設現場も構図は同じ。ひとたび災害が起きれば工事は止まり、社会的信用も落ちる▼安全が守られなければ人は入ってこない。優秀な人材を集められるかどうかが、企業や産業の将来を左右する時代。だからこそ「安全第一」の実践が重みを増している。

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