横浜港運協会(藤木幸夫会長)の会員が設立した「横浜港ハーバーリゾート協会(YHR)」は1日、横浜市中区のロイヤルホールヨコハマで設立集会を開いた。
YHRは山下ふ頭を所有する横浜市と協力して、展示面積が25ヘクタール規模に達する国際展示場などの整備を目指す。冒頭、藤木会長は「先人から受け継いだ横浜港160年の歴史がある。山下ふ頭はハーバーリゾートを目指す。IR(統合型リゾート)ではない」と表明。カジノ導入には反対の立場で、6月27日には林文子横浜市長に対し8項目の要望を提出している。
YHRは設立趣旨で2015年7月に横浜市が打ち出した「山下ふ頭ハーバーリゾート(HR)構想」の実現を目指すとした。山下ふ頭地区でのMICE(国際的なイベント)施設整備は地元の港湾関係者が主体的に進めるとしている。要望事項は▽市民が納得しないカジノは受け入れられない▽観光開発で成功しているスイス・ツェルマット型を目指すべき▽山下ふ頭で働く港湾人が市の財政に大きく貢献できる-など8項目。
YHRが目指すハーバーリゾートの具体的内容は▽展示面積25ヘクタール規模の国際展示場・見本市▽国際クルーズ拠点▽2000~5000室規模の中長期滞在型ホテル(五~七つ星)▽コンサート・劇場・ホール▽世界的なイベント開催-など。このうち国際クルーズ拠点以外は民設民営のインフラ投資を前提にしている。
国際展示場では横浜港独自の新たなビジネスモデルを提案。▽セラー・バイヤーの直交渉・取引による新たな国際貿易スタイルの創出▽大型機器、プラント、電車などの車両・建設機器などの見本市開催▽直岸壁を利用した大型機器陳列場の提供と直岸壁荷役-などをプロジェクトに挙げる。
具体的なイベント案ではディズニークルーズのアジア拠点港や自動車レースF1の誘致などを提案している。ディズニークルーズ船の拠点港誘致では、カジノがある場所は候補から外れる可能性を指摘。F1の誘致では首都圏からのアクセス、ふ頭内コースで市街地区域からの隔離、レースコースをあらかじめ都市設計に組み込む世界初の方式が可能などとしている。F1はすでに打診し誘致は可能との回答を得ているという。
横浜港運協会の試算によると国際展示場設置の単独事業だけで、年間2兆円の経済効果が見込めるとしている。計画が遅延すれば5年間で経済効果10兆円、来訪者1億人の機会損失になるとも指摘している。
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