2019年7月8日月曜日

【回転窓】令和の時代の「豊かな生活空間」とは

今年で71年目を迎える東京・入谷の朝顔まつり。入谷鬼子母神を中心に言問通りに面して数多くの朝顔業者と露店が並ぶ。初夏の風物詩には3日間で約40万人が訪れる▼色とりどりの朝顔の花や風鈴の音色は江戸からの伝統や風流を今に伝える。歩行者天国は人であふれるが、それでも夏の始まりを感じようと足を運ぶ方も多いのでは▼朝顔や風鈴で夏を感じるといった日本人の感性や美意識を大切にしようとする動きが出ている。和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたり、災害が発生した時ボランティアに参加する人が増えたりと、さまざまな形で現れてきている▼国土交通省の調査によると、これからの生活空間の在り方として「日本人の感性や美意識を今以上に取り込むべきだ」と考える人の割合が20代から60代の各年代すべてで約8割に達したそうだ。「物」ではなく「心」の豊かさを重視した空間が求められていると言えよう▼先日公表された今年の国土交通白書。これまでの技術の進歩などを振り返りながら「豊かな生活空間」の創出に目を向け将来を展望しているのはなかなか興味深い。

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