2019年7月17日水曜日

【仮設観覧席の設置など進む】JRA馬事公苑再整備(東京都世田谷区)、1期工事は最終段階

 日本中央競馬会(JRA)が再整備工事を進めている馬事公苑(東京都世田谷区)の完成形が明らかになってきた。

 2020年東京五輪・パラリンピックで使用する施設を整備する1期工事の進捗(しんちょく)率は5月末時点で約88%に達し、8月に開かれるテストイベントを前に競技関連施設はほぼ完成した。約1万人を収容する仮設観覧席など残る工事も着々と進行している。

 馬事公苑は17年1月に再整備のため一時閉鎖に入り、既存施設の解体を含む1期工事に着手した。五輪時のメイン会場となる屋外の「メインアリーナ」に加え、屋内競技場と観覧席を兼ねる「インドアアリーナ」(S造3階建て延べ6899平方メートル)、馬の診療所や装蹄(てい)所が入る「オペレーションセンター」(S造3階建て延べ5846平方メートル)、40馬房を備える複数の厩舎(きゅうしゃ)などは既に仕上がった。

 外周林なども樹木医の意見を聞き、きれいに整備し直した。樹木が生い茂る「武蔵野自然林」と呼ぶエリアには、地域住民が散策しやすいようウッドデッキの空中回廊を新設。1期工事は事務所やレストラン、来賓室などが入る「メインオフィス」(S造3階建て延べ5554平方メートル)の仕上げ工事を経て10月末の竣工を予定している。

 昨年11月以降は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が発注した五輪用の仮設施設工事を並行して実施。仮設の観覧席や照明設備、プレハブなどの設置工事は五輪開幕までに完了する。

 1期工事の設計と施工は大成建設と山下設計の連合体が担当している。契約金額は317・7億円(税込み)。組織委が発注した仮設施設工事も114・2億円(同)で大成建設が受注した。五輪後に常設の屋根付き観覧席などを整備する2期工事はJRAが別途発注する。21年2月の着工、22年夏ごろの全体完成を見込んでいる。

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