今年も多くの新しい手帳が書店に並ぶ時期を迎えた。使用する手帳の種類を変えようと考えている方には、何を購入するのか選ぶのも楽しいひとときに違いない▼世界初の手帳が開発されたのは1812年。英国レッツ社の創業者ジョン・レッツが、日誌にカレンダーが付いていたら便利なのではないかと思い付いたのがきっかけだという▼スマホやタブレットなどを使ったスケジュール管理が普及している今も、これらデジタルとの併用も含めて紙のアナログ手帳を愛用する人は多い。先日訪れた書店には数十種類もの商品が陳列されていた。それだけの需要が見込めてのラインアップであろう▼デジタルからアナログの手帳に戻る人もいるようだ。手帳評論家の舘神龍彦氏は著書で、その深層心理に「クラウドに流れる時間に対する無意識の違和感があるのではないか」と書いている(『手帳と日本人』NHK出版新書)▼同書から引くと、日本で制作された手帳の起源は1879年に旧大蔵省が発行した「懐中日記」。以来、時代の変遷とともにさまざまな用途、機能の手帳が登場してきた。日本の文化ともいえる手帳の歴史は深い。
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