自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟(会長・根本匠衆院議員)は21日に東京都内で幹部会を開き、建設業界を取り巻く直近の課題を巡って国土交通省と意見交換した=写真。2024年4月に適用が迫る時間外労働の罰則付き上限規制への対応や、賃上げ企業を総合評価方式で加点する措置の現状を聴取。資材価格高騰に対応したスライド条項の適用に当たって、単品スライドよりインフレスライドが効果的なケースがあることを踏まえ「受注者に寄り添って制度を正しく伝えて運用してほしい」(根本会長)と注文した。
幹部会には根本会長と佐藤信秋、足立敏之両参院議員、梶山弘志衆院議員が出席。▽働き方改革▽賃上げ加点の実行状況と改善すべき課題▽物価高騰対策▽BIM/CIMの取り組み状況-の四つの課題で国交省が説明。冒頭だけを報道機関に公開し、会合後に根本会長らが会見に応じた。
根本会長は時間外労働規制に触れ「施行ぎりぎりになると大変な問題になる。具体的な課題は現場にしか分からない」と指摘。適用に当たってネックとなる部分は「建設業団体の皆さんの意見を集約し、対応に向けての備え、提言をお願いしたい」と国交省に要請した。直轄工事の総合評価方式では賃上げ表明せずに受注した企業の割合が3割ある。国交省には年明け前後に開く議連総会までに詳細な要因分析などを求めた。
スライド条項は工事費の1%を受注者負担とする前提条件がある中、個別の資材の価格変動を対象とする単品スライドの適用が難しくとも、全体の資材価格・賃金変動に対応するインフレスライドで適用可能なケースがあることを確認した。こうした制度の趣旨を受注者へ適切に周知・助言するとともに、地方自治体発注工事でもスライド条項が浸透するよう指導の必要性を訴えた。建設会社がBIM/CIMに対応するため先行的な設備投資を支援する措置も求めた。
source https://www.decn.co.jp/
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