2022年11月15日火曜日

国交省/流域治水加速へ補正予算案に2400億円計上、8月豪雨の再度災害防止へ

 国土交通省は流域のあらゆる関係者が協働する「流域治水」の取り組みを加速する。2022年度第2次補正予算案に関連経費2432億5900万円を計上。各水系で策定している河川整備計画に基づき、河道掘削やダム改修といった対策に予算を追加配分する。8月以降、大雨で氾濫した直轄管理河川の再度災害防止対策も重点化。来年の出水期までの完了を目指す。

 流域治水に充てる予算額の内訳は公共事業費2430億7900万円、非公共事業費1億8000万円。事業箇所ごとの配分は今国会の補正予算成立時点で決定する。
 流域治水は河川やダムの管理者、流域の下水道管理者などあらゆる関係者が浸水被害防止対策で連携する。具体的な整備内容は流域の関係者による協議会で議論し、各水系で策定する河川整備計画に盛り込んでいる。補正予算では計画に基づく河道掘削に加え、河川堤防や雨水貯留浸透施設の整備、既存ダムの機能強化、田んぼダムの活用などを総合的に推進する。
 8月以降の豪雨災害では国管理水系の▽最上川水系最上川(山形県)▽米代川水系米代川(秋田県)▽梯川水系梯川(石川県)▽後志利別川水系後志利別川(北海道)-の4河川が氾濫し、一部で家屋に浸水被害が出た。続く台風14、15号でも堤防決壊や護岸の損壊といった被害が各地で出ている。こうした箇所に焦点を絞り、来年の出水期に間に合うよう対策を強める。
 国交省は「河川水位を下げるに当たり、短期的に最も効果が大きいのは河道掘削だ」(水管理・国土保全局総務課)と認識。再度災害防止に向けては川底の土砂を取り除く浚渫工事に特に力を入れる方針だ。
 今回の補正予算案にはダムの利水容量と治水容量を共有して治水能力を高める「ハイブリッドダム」の関連経費は含まれない。

source https://www.decn.co.jp/

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