2022年11月21日月曜日

単品スライド運用改善、都道府県・政令市ほとんどが直轄踏襲/国交省調査

 国土交通省直轄工事で6月に改定された「単品スライド」条項の新たな運用ルールが、ほとんどの都道府県・政令市発注工事で取り入れられていることが分かった。資材価格の急激な高騰を踏まえ、実際の購入金額を用いてスライド額を算定できる新たな規定を追加している。価格変動分を工期末に精算変更する単品スライドの性質上、適用工事は今後急増する見込み。あらかじめ適切に対応可能な環境を整える機運が地方自治体でも高まっているといえそうだ。

 都道府県・政令市発注工事で定める単品スライドの運用基準の改定状況を、国交省が10月時点で調査した。都道府県47団体のうち「改定済み」は44団体、「作業中」と「検討中」は各1団体、「その他」として従来基準で対応可能と回答したのが1団体あった。政令市20団体のうち「改定済み」は16団体、「作業中」が3団体、「検討中」が1団体だった。
 従来は資材の「実際の購入金額」と「購入月の物価資料の金額」を比較し、安い方の単価を用いてスライド額としていた。ただし資材価格が毎日のように上昇している状況では購入金額が物価資料より高くなることが多く、実態の反映が難しいとの指摘があった。そこで購入金額が適切と証明できる書類の提出など一定条件をクリアできれば、購入金額の方が高くてもスライド額として算定できるようにした。
 資材購入金額を漏えいしないよう契約で規定されている鋼橋上部工などを対象にした特例措置も設定。購入金額の証明書類を提出できない場合、購入時期さえ証明できれば購入月の物価資料だけでスライド額を算定できる。年度ごとに完済部分検査を行う複数年にまたがる維持工事は、工期末の1回だけでなく各年度末に単品スライド条項を適用できるようにした。
 国交省は都道府県の入札契約担当部署などに、資材高騰を踏まえた予定価格の設定やスライド条項の運用を働き掛けている。スライド条項を適用せず受注者だけに過度な負担を求めると、下請へのしわ寄せや粗雑工事につながる懸念があると注意喚起している。



source https://www.decn.co.jp/

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