北海道開発局室蘭開発建設部は26日、北海道平取町の平取町民体育館で平取ダム竣工式を開いた。石井浩郎国土交通副大臣をはじめ事業者や地元自治体、堤体を施工した西松建設・岩田地崎建設・岩倉建設JVの関係者らが参加し、無事竣工を祝った。
平取ダムは、二風谷ダムとの2ダム1事業となる沙流川総合開発事業の一環として、日高山脈最高峰の幌尻岳に源を発する1級河川沙流川水系額平川に建設された。洪水調節や流水の正常な機能の維持、平取町と日高町への水道用水の供給を目的とした多目的ダム。ダム形式は重力式コンクリートダム、堤高55メートル、堤頂長350メートル、総貯水容量4580万立方メートルの規模となっている。
沙流川総合開発事業は1973年に実施計画調査、82年に建設事業に着手。86年に二風谷ダム堤体建設に着工し、98年に完成した。平取ダムは2009年には検証の対象となるダム事業に選定されたが、13年に継続が決定。同年に工事用道路工事、基礎掘削に着手し、20年11月にコンクリート打設が完了。21年11月からの試験湛水を経て、今年7月に供用を開始した。
式典では、主催者を代表してあいさつした篠宮章浩室蘭開建部長が「沙流川流域は幾度となく洪水に見舞われ、また平取町や隣接する日高町では安定した水源の確保が長年課題となっていた」と平取ダムを含む沙流川総合開発事業の意義を説明しながら「この竣工式を機に、地域と連携して沙流川流域の安全・安心、地域の発展に取り組んでいきたい」と述べた。
事業者を代表した石井国交副大臣は「今回の事業完成により、まず流域に住む皆さんの暮らしがより安全・安心なものになると確信している。今回はアイヌ文化の伝承に重要な植物の保全などにも力を入れており、流域の魅力向上にも貢献できると考えている」と整備効果に期待を寄せた。
この後、来賓祝辞に続き、室蘭開建鵡川沙流川河川事務所の吉野敦久所長が工事概要と工事経過を報告。石井国交副大臣ら来賓によるくす玉開披で、ダムの無事竣工を喜んだ。
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