建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録者数が100万人の大台に乗った。全技能者の3人に1人という水準だ▼CCUSの普及は技能者の処遇改善への大きな足掛かりとなる。経験を積んだ人の生活が豊かになる流れが加速すれば、働きたいと思う若者はきっと増える。即座に効果を出すのは難しいかもしれないが、これからの取り組みがより重要となろう▼イノベーションの成否の境目には深い溝があるとされ、「溝(キャズム)理論」として知られる。新しい物を革新者が取り入れ、流行に敏感な初期採用者が始める。うねりを感じた前期追随者が導入し、一定域に達すると雪崩のように普及する構図だ。物事の浸透には数の力が必要。「100万」というインパクトのある数字に達した意味は大きい▼建設業の当たり前は着実に変化している。例えば社会保険の問題。今でこそ加入が当然となっているが、かつては多くの関係者が困難とみていた。担い手確保に危機感を抱いた人たちが踏み込んでまい進したから今がある▼一歩ずつの積み重ねが未来を変える。専門紙としてそうした歩みをしっかり報じていきたい。
source https://www.decn.co.jp/
0 comments :
コメントを投稿