2022年11月15日火曜日

国交省ら/高知県で大規模津波防災総合訓練実施、南海トラフ巨大地震想定し実践訓練

南海トラフ巨大地震を想定した実践型の訓練「大規模津波防災総合訓練」が13日に高知県で行われた。同県南国市の物部川右岸河川敷をメイン会場に国や地方自治体、建設業団体など107の機関が参加。雨天のため上空での訓練は取りやめたものの、陸上と海上で本番さながらに避難や救助、復旧の訓練に臨んだ。斉藤鉄夫国土交通相が視察に訪れた。=1面参照
国交省と高知県、高知市、南国市が「津波防災の日」(11月5日)に合わせて主催した。
訓練は、南海トラフの東側で巨大地震が発生し、次の巨大地震に警戒を呼び掛ける「南海トラフ地震臨時情報」が出された後、実際にマグニチュード8・6の巨大な地震と津波が発生したという想定で実施した。
陸上では、救助・救出訓練を皮切りに、道路啓開訓練、ライフライン復旧訓練、緊急排水訓練を順次実施。四国の訓練で初となる水陸両用バギーが披露された。サテライト会場のイオンモール高知では住民による避難訓練、高知新港では航路啓開訓練に取り組んだ。
参加機関が体験施設や機材、パネルなどの展示も行った。必要な場所に移動させてタンクローリーと接続することで給油できる可搬式の給油基地「どこでもスタンド」が注目を集めた。
斉藤国交相は「あいにくの雨となったが、実際の災害もどういう時に来るか分からないので大変実践的な訓練になった。津波や地震そのものは避けられないかもしれないが、一人の命もなくさないという強い覚悟で訓練を行っていることを国民にも知ってもらいたい」と話した。
防災学習に熱心な南国市立十市小学校6年生の女児が斉藤国交相に「避難訓練にいろいろな人に参加してもらいたいが、どのような内容にすればいいか」と尋ねる場面があり、斉藤国交相は「あなたたちが一人でも多くの命を救えるかを考えて行動していることを広く知ってもらう。より多くの人の関心につながり、それが多くの人の命を助けることになる」とアドバイスした。
訓練後に荒瀬美和四国地方整備局長は参加者や準備に当たった関係者に謝辞を述べた上で、「実際に大規模な災害が発生した際には混乱する状況下での対応が求められる。日頃からできる限りの備えとさまざまな場面を想定した対応力の向上が必要」と総括した。

道路啓開訓練ではバックホウでがれきを撤去した=13日、南国市の物部川右岸河川敷で

source https://www.decn.co.jp/

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