2022年11月22日火曜日

記者手帖/インフラのありがたみ

 先月の昼なか、音もなく自宅の電気が全て消えた。地域一帯で停電が発生したのかと慌てて外に飛び出すと、隣家からテレビの音が聞こえる。原因は漏電遮断器と周辺部品の劣化だった。依頼した電気工事業者は一部部品の持ち合わせがなく、復旧工事は翌日に持ち越された◆気持ちを切り替えて、電気がつかないなりの生活をしてみた。ガスも水道も使えたが、給湯器が動かない。カセットコンロでお湯を沸かし、髪と体を2度に分けて洗う。髪は自然乾燥だ。スイッチ一つでふんだんな量のお湯が出て、ドライヤーで手早く髪が乾くありがたさを痛感する。洗濯物の手洗いも大変だった。生地の厚い服を洗うには力が必要で、水を絞っても干す前からボタボタと水が落ちてしまう。洗濯機のない時代の労力に思いをはせた◆翌日の仕事を終え、作業をしてもらうとあっという間に電気が復旧した。暗闇に電気がともった瞬間の感激は忘れられない◆社会インフラという日常の「当たり前」や「安全」をつくり、支えているのは建設産業に携わる多くの人たちだ。電気が使えない一件以来そのありがたさを一層感じ、記事で言葉にしていきたいと思っている。(ら)


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