2022年11月25日金曜日

大成建設/縦格子手すりの風振動音を大幅低減、最下部に防振材設置

大成建設は、集合住宅のバルコニーなどに設置される縦格子手すりが風で振動する風騒音を大幅に低減する部材「T-Silent Wind Noise」を開発した。縦格子手すりの最下部に振動を吸収するポリウレタン系防振材を密接するようにはめ込む。部材はサイズに応じて加工でき、景観や安全性を確保しつつ振動音を20~55デシベル程度低減できる。新築とリニューアル工事で積極的に提案していく。
縦格子手すりでは毎秒5メートル程度の風が正面から吹き抜けると部材後方に渦が発生し、部材接合部で風振動音が生じる場合がある。耳障りな音だけでなく、構造躯体を介して振動が伝搬し、遠く離れた室内の内装材から音として再び放射される可能性もあるという。
風洞実験で有効性を確認したポリウレタン系防振材は軽量でコンパクトな形状の「連続タイプ」と「ピースタイプ」の2種類を用意。風振動音の発生場所に応じて部材やカラーが選べる。工具が不要なため後付けでも簡単に設置できる。実際に作業員2人で行った縦格子手すり(総延長約22メートル)への設置作業は1時間程度で完了した。
縦格子手すりからの着脱を防ぐ突起形状を部材に付加することや、意匠性を考慮した着脱防止用アルミ製カバーを取り付けることもできる。これまでの風振動音対策は縦格子部材に直交する横つなぎ材を追加で設置する方法などがあったが、振動を完全に抑え込むことは難しかった。意匠性や眺望の問題に加え、児童が横つなぎ材に足を掛けて転落する危険性もあり安全面でも課題があった。

低減部材に着脱防止用カバーを設置(大成建設提供)

source https://www.decn.co.jp/

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