2022年11月28日月曜日

大林組ら/天井照明型手術室を開発、無影灯不要で術野環境構築

 大林組は無影灯(手術室などに用いる照明器具)を必要としない天井照明型手術室「オペルミ」を開発した。術野を明るく照らすため設置する「自動シューティングライト」72基と、手術室全体を均一な明かりで照らす「導光板パネル照明」を組み合わせた。天井に空調を設置し、照度を確保しながら手術環境を良好に保ち、手術に最適な無影環境を実現する。
 オペルミは大阪大学大学院医学系研究科との共同開発。両者はジャパンバイオデザイン大阪が提供する「ニーズ発医療機器開発プログラムMIU」に参加し、開発に取り組んだ。
 採用した自動シューティングライトは1基ごとに照射角度が指示でき、自動で角度を変えるため手術台のどのエリアにでも焦点を合わせられる。導光板パネル照明は点灯エリア、明るさ(調光機能)、調色を詳細に調整でき、さまざまな術式に対応した周囲環境をつくる。
 無影灯を必要としないため、天井高を他の病棟フロアと同様の2600ミリに抑えられる。フレキシブルなフロアプランが検討でき、建設コストの低減も見込める。
 オペルミの検証に参加した医師は「救急処置室に導入したい」「病棟と同じフロアに配置できれば別の階の手術室まで患者を移動しなくて済む」と評価している。今後、タブレット端末での操作指示やシューティングライト72基が連携した自動フォーカス、執刀医の動きに合わせた自動追尾機能の導入も検討する。
 手術室には術野などを明るく照らすために影ができない無影灯が設置されているが、天井が他の病棟フロアに比べて高くなる。無影灯が熱かったり、クリーンエアーの妨げになったりするなどの課題があった。

オペルミを導入した手術室イメージ(報道発表資料から)

source https://www.decn.co.jp/

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