2022年11月21日月曜日

回転窓/翻訳の妙、周藤利一氏を悼む

 外国語を他の言語に訳して読みやすく分かりやすい文章にすることができるかは、翻訳者のスキルによるところが大きい▼本紙で以前、提携関係にある韓国建設専門新聞の主要記事を定期的に要約し掲載していた。翻訳者は元国土交通省交通政策研究所長の周藤利一氏。記事中の専門用語など補足説明が必要な箇所には「日本でいう○○○」と訳注も付き、いつも読む側が理解しやすいよう配慮された翻訳文になっていた▼1979年に入省し、80年代には在大韓民国日本国大使館二等書記官を務めている。韓国の国土・土地政策などに詳しく、本社発行『清渓川復元 ソウル市民葛藤の物語』(2006年)の翻訳も担当いただいた▼退官後、明海大学や横浜市立大学で教えてきた周藤氏が2日死去した。本紙「所論諸論」の執筆メンバーでもあり、これまでの寄稿テーマは「土壌汚染問題を考える」「都市計画制度を考える」「TPP問題を『ヒトの移動』から考える」「土地所有権の放棄制度を考える」など多岐にわたる▼享年66。これからも豊富な知見を生かし、さまざまな課題に対し解決への道筋を示してくれたに違いない。


source https://www.decn.co.jp/

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