2022年11月17日木曜日

与党国土強靱化PTが発足/基本法見直し議論、実施計画法定化へ

 国土強靱化政策の新たな方向性を話し合う与党プロジェクトチーム(PT)が17日、発足する。近年の災害から得た教訓や知見を踏まえ、来年度に制定から10年の節目を迎える「国土強靱化基本法」の見直しを議論。長期的かつ安定的に政策を推進するため、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」など実施計画の法定化をにらむ。同法改正案は次期通常国会への提出を目指す。2025年度までの5か年加速化対策後を見据え、後継となる長期計画の方向性も打ちだす方針だ。

 与党PTは同日に東京都内で初会合を開く。昨年10月に自民党国土強靱化推進本部の二階俊博本部長と、公明党の石井啓一幹事長が会談し、与党PTを立ち上げることを確認していた。
 国土強靱化政策に関する法定計画は「基本計画」だけ。実施計画に当たる「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」や5か年加速化対策は、国に策定義務はなく、あくまでも時限的な措置として講じられている。
 建設産業だけでなく経済界や地方自治体の首長からは、災害から生命や財産を守れるのかという危機感や、5か年加速化対策後の長期的な対策の継続を求める声が相次いでいる。与党PTではそうした声を受け止め、対策の期限後も安定的に計画性を持って国土強靱化の取り組みを進める方針。実現に向けて、基本法を改正し実施計画を法定化することを論点とする見通しだ。
 実施計画を法定化し実効性を高める方策とともに、5~10年程度の新たな実施計画の検討も進める。5か年加速化対策は5年間で国費総額約7兆円台半ばというスケールを描く。21~23年度の3年間で国費計5兆円を確保する見通しで、最終年度の25年度の支出は大幅に減るとみられる。それを踏まえ、自民党国土強靱化推進本部の国土強靱化の着実な推進に関するプロジェクトチーム(PT)の佐藤信秋座長は、5か年加速化対策後の長期の実施計画について、「実質1年前倒しする形で25年度にスタートすべき」と主張。与党PTでも検討される公算が大きい。


source https://www.decn.co.jp/

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