大林組は18日、同社技術研究所内(東京都清瀬市)で3Dプリンターを使って建設中の実証棟を公開した。ロボットアーム付きのプリンターを据え付け、基礎の上に型枠などを兼ねた複層壁を特殊なモルタルで構築。その中に常温硬化型超高強度繊維補強コンクリートを充てんする。壁のプリントは8月に開始し約60%が完了。設備関連や外構を含め2023年2月の完成を目指す。
「3Dプリンター実証棟」は平屋で面積約27平方メートル、パラペットを含めた最高高さは約4・2メートル。曲面を多用したデザインが特徴で空調や照明、洗面などを設ける。セメント系材料を使った3Dプリンター建築物として、国内で初めて建築基準法に基づく国土交通大臣認定を取得している。
複層構造の壁は外側から構造体層、断熱層、設備層で構成。デンカが開発した特殊なモルタルで各層の枠を構築する。構造体層には大林組が開発した常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」を充てん。高い引っ張り強度や曲げ強度、引張靱性を備え鉄骨や鉄筋を使用せずに施工できる。
天井のスラブは別の場所で事前に14分割してプリント。力が分散するよう、力の流れに沿った形状の突起(リブ)を設けている。現在は高さ約2・7メートルまで壁の積層を終え、スリムクリートの充てんも順次実施。スラブなどの設置を経て23年1月の躯体完了を見込む。
技術研究所の勝俣英雄所長は「空調や照明などを備えた本格的な建物で3Dプリンターの実用化にめどが立った。今後は意匠性の高い部分への適用とともに、土木分野にも展開していく」と話した。
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