2022年11月25日金曜日

全建協連/地域建設会社の働き方改革推進、国交省に政策的な労務単価引上要望へ

全国建設業協同組合連合会(全建協連、青柳剛会長)は22日に東京都内で理事会を開き、地域建設会社の働き方改革を進めるため、国土交通省に提言・要望を行うとともに、新しい研修会・講習会を始めることを決めた。提言・要望は設計労務単価の政策的な引き上げや新たな工期設定などの三つ。研修会・講習会は、事務部門の生産性向上や時間外労働の罰則付き上限規制への対応をポイントにする。会場費や講師の派遣費を全建協連が負担する。=5面に関連記事
提言・要望は▽労働時間短縮による設計労務単価の政策的な引き上げ▽中小建設業の技術者のワークフローを踏まえた新たな工期設定の仕組みの構築▽屋外作業と現地生産の特殊性を考慮した歩掛りの見直し-の3項目。
時間外労働の罰則付き上限規制の適用を2024年4月に控え、技能者、技術者それぞれの課題が浮き彫りになっている。労働時間を減らさざるを得ない中で、収入が減る技能者が出てくるため、単価の調査結果とは別に「政策的な見地」(青柳会長)から設計労務単価を引き上げるよう求める。工期は現場と内勤それぞれの作業に注目し、デスクワーク主体の管理書類作成業務と現場作業を切り離した柔軟な工期設定の仕組みの構築を要請する。歩掛りは、いわゆる手戻りと労働時間の見直しを踏まえた設定を申し入れる。
理事会後に会見した青柳会長は分業や委託などでも働き方改革に対応できる大手ゼネコンなどと異なり、人員や投資余力に限りのある地域建設会社の現状を説明。その上で「(働き方改革のために)工事書類はこれ以上減ると管理が厳しくなるくらいまで減らせてもらえた。(上限規制適用の)24年問題は中小をこれからの焦点に解決すべき」と指摘した。
地域建設会社の業務実態と、現場・内勤のワークフローに応じた対応を求めていく考えを示した。労務単価については「調査の結果だけでは(減収を回避できるほど)上がらない。働く日数や時間を計算すべき」と指摘した。提言・要望は近く国交省の関係部署に出す。
新たに始めるのは「『建設業経理DX』研修会」と「建設業『働き方改革関連法令』講習会」。研修会は経理などの事務部門の生産性が高まるDXの取り組みや、インボイス制度、改正電子帳簿保存法への対応などがテーマ。講習会は働き方改革の関係法令や制度、労務管理、週休2日制の賃金制度設計などへの理解を深めてもらう。

青柳会長(右から3人目)ら全建協連の正・副会長が会見した

source https://www.decn.co.jp/

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