鹿島は16日、製造過程の二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリートを活用した「CUCO-SUICOM型枠」(クーコスイコム型枠)を開発したと発表した。CO2を固定するコンクリート「CO2-SUICOM」(シーオーツースイコム)を改良し、さらなるCO2排出量削減を可能にした。埋設型枠としてトンネル工事現場に初適用し、CO2削減量が排出量を上回ったことを確認した。
鹿島(幹事会社)やデンカ、竹中工務店らで組成するコンソーシアム「CUCO」が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択されたグリーンイノベーション基金事業の一環として実施。同型枠はCUCOの技術開発成果の初弾となる。
同型枠に用いるコンクリートは、CO2-SUICOMの▽セメント一部を産業副産物に置き換えCO2を削減▽特殊な混和材を使用し炭酸化養生してCO2をコンクリートに吸収・固定化-の二つの技術に、CCU(CO2回収・貯留)粉体である炭酸カルシウムを組み合わせたもの。これによりCO2の削減量、固定量を最大化させる。
同型枠は鹿島が高知県日高村で施工する「令和3-4年度日下川新規放水路管理道整備工事」(発注・国土交通省四国地方整備局)の放水路トンネル埋設型枠として初適用した。116枚の型枠を使用。コンクリートの材料のうち、セメントを産業副産物である高炉スラグ微粉末に置き換え1立方メートル当たり409キロのCO2を削減。さらに特殊混和材と炭酸カルシウムを使用し1立方メートル当たり268キロのCO2を吸収・固定化した。
合計でCO2を677キロ削減。一般的な高強度パネルを使用する場合615キロのCO2が排出されるが、同型枠はすべてを削減してマイナス62キロ(CO2吸収量62キロ)を実現した。
今後、CUCO一体でCO2削減・固定技術の開発、改良に取り組む。
source https://www.decn.co.jp/
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