2015年6月2日火曜日

【回転窓】青のおじちゃんの善意



 自宅の近くでガス管の更新工事が始まった。土曜日にも作業が行われているので、「4週4休の工程か」と思いながら眺めていると、3歳の息子が旋回性能が売りの某社製小型ショベルに見とれている▼すると、警備員が気を利かせ、停止していたショベルを動かすようオペレーターに頼んでくれた。歓声を上げる息子を何人もの作業員が手を休めてほほえみながら見守ってくれる風景に温かい気持ちになった▼息子は警備員を「青のおじちゃん」と呼ぶ。青い制服を着ているからで、どうやら母親との散歩の途中で顔なじみになっていたらしい▼若い担い手を確保しようと、建設業の魅力を発信する官民の取り組みが活発化している。受発注者が協力して親子向け見学会を開いたり、入職促進策の検討会などにPTA関係者や母親を招いたりする地域もある▼青のおじちゃんがくれた現場のささいな善意は、行政や業界団体が取り組む政策にも引けを取らないくらい、ファンを増やすことになるだろう。身近なインフラの工事を丁寧に親切に行っている方々に感謝しつつ、現場の魅力発信の機能に注目しようと思う。

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