2016年11月11日金曜日

【17年度完成へ工事急ピッチ】関東整備局ら、外環道建設5現場を公開

 関東地方整備局と東日本高速道路会社は9日、共同で建設を進めている東京外かく環状道路(外環道)の東京都~千葉県区間の5現場を報道陣に公開した。

 全現場とも17年度の完成に向けて急ピッチで工事が進行中。京成線菅野駅直下に大断面のトンネルを整備する難工事の様子や外環道と京葉道路を結ぶトンネルを外径13メートル超の巨大シールドマシンで構築している現場などが紹介された。

 公開されたのは、外環道三郷南インターチェンジ(IC)~高谷ジャンクション(JCT)間(延長15・5キロ)の▽葛飾大橋付近▽松戸IC付近▽アスファルトプラント▽京成線との交差部▽京葉JCT-の5現場。三郷南IC~高谷JCT間は国道298号を併設する形で整備が進んでいる。

 江戸川をまたいで東京都と千葉県を結ぶ「葛飾大橋」(同506メートル)は送り出し架設工法を採用した橋梁の本体工事が既に完成。遮音壁と裏面吸音版などを整備している。

松戸IC付近は周辺環境への配慮から半地下の掘割構造を採用。上部の一部が開いており、そこから差し込む日光が運転手の視界に影響する恐れがあるため、日差しを和らげる工夫として天井の一部に白い膜を設置している。こうした日差し対策を高速道路に施す事例は全国でも少ないという。

 アスファルトプラントは、外環道の舗装工事専用施設として千葉県市川市内に2カ所整備され、同日に火入れ式が行われた。

 京成線との交差部は、菅野駅の直下に外環道の本線を構築するという厳しい条件下で施工が進められた。線路の防護工の役割を果たす箱形ルーフと本線部のボックスカルバートを、ケーブルでけん引しながら置き換え、非開削でトンネルを施工する「R&C工法」を採用。ボックスカルバートを動かせるのは1日わずか15センチ程度で、昨年1月にけん引を開始。今年3月にようやく完了した。4連2層のボックスカルバート(高さ18・4メートル、幅43・8メートル、延長37・4メートル)は、同工法では世界最大級の規模という。施工は清水建設・京成建設・東急建設JVが担当している。

 京葉JCTでは、地上で供用中の京葉道路本線と市川ICの直下に同JCTのAランプをシールド工法で整備する現場を公開した。

 トンネルの延長510メートル中440メートルが掘進済み(9日現在)。シールドマシンの外径は13・27メートル、九つのセグメントでトンネルを構築しながら掘り進む。

 施工は大成建設・戸田建設・大豊建設JVが担当。京葉JCT付近の地上では国道289号の橋梁の整備も進行している。

 橋梁が京葉道路を横切る部分は、17年2月中旬ごろに京葉道路を1夜間通行止めにして整備するという。

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